「Almagest -Overture-」は、“恒星間移民が進んだ時代の宇宙”が舞台のSFシミュレーションゲーム。12の星間国家で構成され、プレイヤーは好きな国家を選んで「元首」として行動する。最終的な目標は、各地で起きている戦争を終結させること。戦闘で全国家を平定して宇宙を統一するのも、同盟や和平といった外交による平和的な解決を行うのもプレイヤー次第だ。

システムはオーソドックスなターン制を採用。自国ターンの「戦略フェイズ」で内政や外交、戦力増強、士官登用などを行い、自国の富強や他国との関係強化などを図っていく。登用できる士官は100名以上。性別も年齢も性格もさまざまだ。

兵器を揃えるにせよ、和平による解決を行うにせよ、「資金」が必要不可欠。そのため、序盤では「内政」メニューが重要になる。保有している星の「経済」と「治安」を上昇させることで、毎ターンの税収を増やすことができる。これらの値は各星に「行政官」を派遣することで自然に上がるほか、「経済投資」や「治安強化」を行って大幅に上昇させることも可能。ただし、経済投資や治安強化を行うには、資金と士官の両方を用意する必要がある。

内政での重要項目には「兵器開発」もある。敵国への侵攻や自国防衛に欠かせない戦艦や戦闘機、防衛衛星などを開発するもので、特定の士官に開発を担当させることができる。開発状況が100％になると、その兵器を自国で建造できるようになる。

戦闘による宇宙統一を目指す場合は、隣接する国家を侵攻できる。まず、「艦隊」メニューで派遣艦隊を編成する。艦隊には必ず士官を一人、司令官として任命する必要がある。士官の階級によって配備できる戦艦の数などが異なってくる。司令官のほかに副指令や参謀を登用すると、配備可能な艦数が増えて、戦いを有利に進めることができる。

艦隊を編成したら、いよいよ出撃だ。最大4艦隊まで出撃させることが可能で、対象の星に敵艦隊が配備されていた場合には戦闘がはじまる。戦闘では攻撃目標と「強行」「機動」といった攻撃スタイルを選択できる。設定後は戦闘の終結を待つだけ。戦力が0になった方が負けとなる。敵艦隊を撃破した場合は、星を守る防衛衛星や軌道部隊との戦いが待っている。防衛衛星を破壊すれば、侵攻成功だ。

とはいえ、プレイヤー（元首）だけで宇宙という広大な空間を制覇するのは不可能で、多数の士官による補佐が必須となる。うれしいことに、100名以上いるキャラクタの全員にオリジナルの顔グラフィックが用意されており、さらに個別の性格が設定されている。特定の士官を抱えていると、戦略フェイズの途中で突然話しかけてきたり、突発的なイベントを楽しむこともできる。

素直に統一や平和を目指すだけでなく、「兵力の弱い初期に同盟を結んで自国の安全を確保し、兵力が整ったら同盟を破棄する」という手法で宇宙統一を目論んだり、気に入った国と手を結んで宇宙を分割統治したりといったこともできる。プレイヤーのアイデアや手腕次第で、さまざまな遊び方ができるのが「Almagest -Overture-」最大の魅力といえる。

開発中に苦労した点
プログラムの規模が大きくなりすぎたため、当初は不便を感じなかった開発言語との相性の悪さに、いま現在も悩まされています。また、音楽・効果音以外すべて一人で作ったために開発ペースが非常に遅く、モチベーションの維持にも苦労しました。

ユーザにお勧めする遊びかた
目指すエンディングや選択国家に加え、特定の艦艇や士官のみを使ってのプレイなど、自分で難しくしようと思えばいくらでも難易度を上げられる作りになっていますので、全イベント・エンディングを達成しても、そういう遊び方でやり込んでみてほしいです。一度も他国と交戦せずにエンディングを目指す完全非戦主義プレイも一度は挑戦してみてください。刻一刻と勢力図が塗り変わっていく中、放っておくとお気に入りの国家が滅亡してしまうというジレンマも楽しめます。

今後のバージョンアップ予定
現在、「Overture」のシステムを調整しながら、細々と「Almagest」の本編を制作中です。こちらでは「Overture」では断章としてしか語られていないメインストーリーが明らかになるほか、新戦艦の登場やフリーシナリオの追加も予定しています。……ですが、いまのところ開発言語の制限や作者のモチベーションの問題もあり、なかなか容易なことではありません。ものすごく気長に応援していただけますと幸いです。