ずっと昔に、プログラム言語の研究者同士で「自分の子どもに最初に使わせる言語は何がいい?」「やっぱり自分が作った言語が理想だね」という話をしていました。気がつくと、僕の娘がキーボードを打てるようになりかけてました。それであわてて作った言語です。:-)ビスケット(Viscuit)は「コンピュータのプログラムってどういうもの?」という質問に対する僕の答えです。
- プログラムを取り替えたらどんなものにも変身できる
- コンピュータは「小さな変化」を積み重ねて動く
- プログラムは「小さな変化」を効率よく伝える方法
この説明には、普通にプログラムを教えるときに使う条件分岐、変数、サブルーチンといった言葉は出てきません。最初に触れるコンピュータプログラムはこれでいいと思っています。単なる便利さ簡単さを追求したわけでもありません。それよりもコンピュータの怖さもちょっとだけわかってもらいたい。例えば、初心者は絵が爆発的に増えてしまうルールを間違って作ってしまうことがあります。あっという間に画面は絵だらけになって驚きます。でも、この特徴こそがコンピュータなので、それを隠すのではなく、頑丈に動き続けるように作りました。
もちろん、そんな難しいことなんてどうでもよくて、Flashより簡単にアニメーションが作れるという特徴だけでも十分楽しんでいただけると思います。
ビスケットで遊ぶ人の数だけ、いろんな遊び方があります。実は、ビスケットには僕自身がまだよくわかっていない動きがたくさんあります。プログラム言語ですから、まだ誰も書いたことのないプログラムがたくさん眠っています。それに同じプログラムでも絵を変えると、まったく別のストーリーが見えるので、遊び方は無限にあります。
子どもの気持ちになってみて、ビスケットの世界を探検する、というつもりでやるといいかもしれません。他のプログラム言語をよく知っている方が、他の言語で簡単にできることをビスケットで無理やりやろうとしているのを見かけますが、それは上手な使い方ではないと思います。
何か作品が出来た方、「こう動かしたいんだけどうまく動かない」という方、ぜひ、http://develop.viscuit.com/ の方に書き込んでください。他の人の参考にもなりますし、ビスケットに新しい機能を追加するヒントにもなりますから。
これから、ビスケットはネットワーク対応版に発展する予定です。簡単に自分の作品を他人に見せたり、感想を交換したりできる場を提供します。
このソフトは、研究活動の一環でお試し版配布しています。盛り上がりに欠けると、配布自体を中止しなければいけないので、ぜひよろしくお願いします。
(原田 康徳)