「G.Crew8」は、はがきやチラシ、カレンダー、ポスターからビジネス文書まで、さまざまな種類の印刷物を美しく、しかも手軽に作れるソフト。高度な図形描画を行えるドロー機能や図形の結合機能を備えるほか、縦書きにも対応。細かな設定が可能な文字レイアウト機能も備え、画像の作成からレイアウト、印刷まで、文書作りのすべてを1本でカバーする。

描画できる図形は「線分」「正方形/長方形」「角丸長方形」「円/楕円」「自由線」「ポリゴン/連続線分」など。さらに「スプライン」「bスプライン」「ベジェ曲線」を使った高度な図形描画も可能だ。正多角形や星形といった特殊図形も簡単に描くことができ、描いた図形をベジェ曲線に変換して、ベジェ曲線で編集することもできる。また、二つの図形の中間図形を求める「ブレンド」機能もある。複数の図形をもとに「重なり」「全体」「切り抜き」「切断」「分解」といった結合処理を施して、通常では描画が難しい、複雑な図形を描くことも可能だ。

文字の入力や文章の挿入には「文字枠」「レイアウト枠」を使用する。文字枠にはダイアログからの文字入力のほか、テキストファイルの挿入も可能で、横書き/縦書き、文字の揃え（左寄せ/中央寄せ/右寄せ）、文字間/行間などを細かく設定できる。「レイアウト枠」は、Word文書、ワードパット文書、リッチテキストファイル、テキストファイルを流し込める枠で、縦横に段を設定できる。段幅や段高、間隔は段ごとに指定できるので、パンフレットなどの複雑なレイアウトも簡単に作れるようになっている。

文書全体の背景色やページサイズを同一のものにする「マスターページ」機能も用意されている。マスターページを使えば、複数ページを持つ文書を作成することも容易。マスターページにひな形を設定することで、同じフォーマットの文書を簡単に作成できるようになる。複数ページを持つ文書からの一部ページの削除、ページの複製、新規ページの挿入、ページの入れ替えも自由に行える。

「G.Crew8」本体のほかに、連携動作するソフト「MediaLook」「Banner」「3D Banner」の3本が同梱される。「MediaLook」は画像ファイル管理ソフト。画像ファイルのデータベースを作っておけば、そのデータベース上のファイルは「G.Crew8」の「MediaLookビュー」からドラッグ＆ドロップで文書に貼り付けられるようになる。「Banner」「3D Banner」では、グラデーションや陰影処理などを施した変形文字や3D文字を簡単に作ることが可能だ。

描画できる図形の種類も多彩で、ベジェ曲線への変換ができるなど、一度描画した図形の編集も思いのまま。さらにブレンド機能や結合機能を使うことで、複雑な図形を誰にでも簡単に作ることができる。というより、図形を描くことの楽しさを感じることのできるソフトである。また、レイアウト枠を使った文章の流し込み機能も、きめ細かくかつ柔軟性に富んだいる。Word文書やリッチテキストを流し込む場合は、元文書の文字情報がそのまま反映されるので、使い慣れたワープロやエディタの上で文章を完成させることができるのも便利だ。

年賀状や転居通知やオリジナルのカレンダー、商店のチラシ、ポスター、ビジネス文書と、写真や図形と文章を組み合わせた文書作りに幅広く対応し、しかもこのソフト1本ですべてを賄える、優れたソフトだ。

純国産の低価格、多機能なソフトとして息の長い、隠れたベストセラーです。そんな息の長いソフトですから、街角のバイク屋さんの店頭チラシや量販店、ドラッグストアのPOP、DMやスタンプカードなど、実は「G.CREW」を使って作成されているものが結構あったりするんです。

実際に以前パンク修理のために立ち寄った自転車屋で、修理を待ちながらなんとなく目をやったバックヤードのパソコン、何かのソフトが立ち上がっていましたが、どうも見覚えのあるインタフェースだな……と思ったら「G.CREW」だったんですね。何にお使いかなどは伺いませんでしたが、恐らく店頭や新聞の折り込みチラシを作っていらっしゃるんだろうと思い、うれしくなりました。必要に迫られているといっても、知識もないのにいきなり何十万もするソフトを買うことはできませんよね。そんなときに「G.CREW」はきっとお役に立ちます。

テキスト周りの機能、描画の機能、レイアウトの機能、どれをとっても初めての方や用途が限定されているという方には必要十分。先々プロフェッショナルDTPを目指している方も、この「G.CREW」からスタートすれば、間違いありません。フライヤー等の作成にも力を発揮してくれると思いますよ。