「出稼ぎ奮闘記」の舞台は、主人公の少女「ミネル」と4人の弟妹が住む「メノス村」。メノス村では、収入源である漁獲量が急激に落ち込み、村全体が深刻な飢餓に襲われていた。しかも、家計を支えていた母親が病気で亡くなってしまう。「このままでは家族全員が飢えてしまう」と判断した長女ミネルは、都会である「ケニンテの街」で仕事を探して、弟妹に仕送りすることを決意する。そして、ケニンテの街にたどり着いたミネルは、旅の途中で出会った傭兵や、命を助けてくれた学者とともに、冒険者として生計を立ててゆく。

ゲームの最大の目標は「とにかくお金を稼ぐこと」。シナリオごとに「目標金額」が設定されており、新しいシナリオに進むためには、稼いだ「獲得総資金」が目標金額を超える必要がある。また、忘れてはいけないのが故郷にいる弟妹の存在。彼らが生活するためには1日200ガリアが必要。実家の蓄えがなくなると餓死してしまい、ゲームオーバーになってしまう。プレイヤーは定期的に仕送りを行い、蓄えを維持しなくてはならない。画面上には現在の日付が表示されるが、街でもダンジョンでも容赦なく経過する。特にダンジョンではかなり早いペースで進むので、入る前に十分な蓄えがあるか確認しておくこと。目標金額や実家の蓄えは、「資産状況確認」メニューから確認できる。

お金の稼ぎ方はいろいろと用意されているが、一番効率がよいのはダンジョンに潜ってモンスターを退治する方法だ。敵と戦って勝利すると、「小さな牙」のようなモンスターの欠片が手に入り、「買取センター」で換金できる。ダンジョン内にある宝箱の中身もお金に換えることができるが、罠や鍵のかかったものもある。罠や鍵の解除は、敵を倒すたびにたまる「スキルポイント」を使い、「スキル道場」で必要なスキルを覚えることで行えるようになる。なお、スキルには、敵を倒すごとにお金が手に入るものや、手に入るスキルポイントが大幅に増えるといったものもある。

定期的に仕送りを行わないとならないので、最初のうちはあまり余裕もないと思うが、次第に貯金ができるようになったり、いろいろなものを購入できたりするようになるはずだ。宝くじを買うといったことも可能なので、プレイヤー自身の生活に重なるところもあるかもしれない。なお、シナリオの進行に必要な「目標金額」は、手持ちの金額ではなく、ミネルが稼いだ総金額なので、心配せずに仕送りや貯金、買い物などを行うことができる。

ゲームスタート時には文盲のミネルが、図書館に行くことで徐々に文字を覚えて街中にある文字が読めるようになったり、トレーディングカードやコレクターズアイテムの収集ができたりなど、本編以外にもさまざまなお楽しみ要素が用意されているのもうれしい。ぜひ、主人公になりきってゲームの世界を堪能してほしい。

開発中に苦労した点
プレイヤーのみなさんからは直接見えない部分で、多くの苦労をしたように思います。武器や魔法などの戦闘アニメーションをキャラクタごとに固有にする点や、協力攻撃や感情システムをはじめとする戦闘中の要素など、地味な部分ではありますが、かなり手間がかかりました。それから、さまざまな要素を盛り込んでしまったので、最終的にバランスを調節するのに苦労しました。完成までに何度もテストを繰り返し、そのたびに細かい数値などの変更を行ったため、最も時間がかかった部分だと思います。最後に、スペックの低いパソコンで動作確認を行ったところ、正常に動作せず、手直し作業に手を焼きました。

ユーザにお勧めする使い方
資金稼ぎの部分は、自由度が高めになっています。ダンジョンに行って宝箱を開けたり、敵を倒したりする冒険者らしい稼ぎ方をしてもいいし、地道に仕事や貯金をしたりするほか、ギャンブルに挑戦したりすることもできます。どのような稼ぎ方が向いているかは、人それぞれ違うと思いますので、好みに合った方法でお金を稼いでみてください。実家の家族たちや3人の仲間キャラクタとの関係も大切にしていただけたらうれしいです。

今後のバージョンアップ予定
プレイヤーによっていろいろな遊び方がある分、見つけきれなかったバグがあるかもしれません。バグなどがありましたら、なるべく早めに対処していきたいと思っています。また、ホームページでは。常に最新のバージョンに更新できるよう、修正ファイルを配布しています。

おわりに
素材を提供してくださった方々、出演してくださった声優さん、オリジナルの戦闘曲を作ってくださった方、テストプレイヤーのみなさんなど、たくさんの方々のご協力があったおかげで、こうしてこの作品を完成させることができました。苦労して完成させた作品であるだけに、この「出稼ぎ奮闘記」を少しでも楽しんでいただけましたら、とてもうれしく思います。もしも興味を持たれましたら、ぜひ遊んでみてくださいね。