「ほたすら ピルメール」は、メール内容や送信時刻などを「メールジョブ」として登録することで、指定時刻にメールを自動送信してくれるソフト。異なるスケジュールで、異なる内容のメールを複数、ジョブとして登録することが可能で、リマインダとして利用できる。

ジョブの登録操作は、一般的な電子メールソフトでメールを作成するときと同様。「宛先」「件名」「本文」を入力した上、必要であればCC/BCCを指定する。「差出人」のメールアドレス（From）、「返信メールアドレス」（Reply-To）、「送信メールサーバ（SMTP）」などは、あらかじめユーザ情報に登録した共通フォーマットを利用することも、ジョブごとに変更することもできる。

送信は、指定した年/月/日/時刻の1回限りで実行させられるほか、毎日/毎週/毎月/毎年といった繰り返し実行も可能。複数のジョブの送信時刻が同じであった場合でも順次、処理される。

メイン画面には、登録済みジョブがリストに一覧表示される。リストからジョブを選択することで、登録済みのジョブを編集したり、削除したりできる。ジョブリストは、任意の名前を付けてファイル保存することが可能で、複数のリストを使い分けられるようになっている。ジョブが実行される際には、「メール送信の進行度」のダイアログが開き、「正常に送信したか」「エラーが生じたか」を確認できる。繰り返し実行されるジョブは送信後もリストに残るが、1回限りのメールは、送信が完了すると自動的にリストから削除される。

ジョブは、リスト単位でファイルに保存しておけるので、ひとまとまりのジョブをグループ化して登録しておき、必要に応じてファイルを呼び出してスタンバイ状態にするといった、「使い分け」をすることが可能だ。

強力なマクロ機能を持っている点も魅力。例えば、「t」は日付や時刻を示すカテゴリー、「d」はディスクやデバイスなどハードウェア環境、「o」はWindowsの種類やバージョン、起動後の経過時間などのOS環境に関するカテゴリーを示している。マクロ機能を利用することで、例えば「自宅パソコンのハードディスクの状態を確認するメールをタイムスタンプ入りで送付し、外出先で確認する」といった使い方が考えられる。ほかにも、件名、宛先、差出人といったメールの設定内容を示す「p」カテゴリー、10進数/16進数/8進数を数字コードとしてバイナリ変換し、文字を表示する「b」カテゴリーが用意されている。bカテゴリを使うと、携帯電話（iモード、EZweb）で使われている絵文字を送ることができる。

そのほかにも、アイデア次第でいろいろな使い方ができそうだ。

開発時に気を使ったのは、スケジュールの登録設定にできるだけ制限のないようということです。特に、送信時刻のジョブ管理には気を使いました。同じ時刻に複数登録しても送信漏れのないように、スケジュール管理をする部分と、メールを送信する部分とに分けて設計・開発しました。スケジュール管理をするメールジョブリストでは、送信時刻になったジョブがないかを、常に監視タスクがチェックしています。送信時刻になったジョブを発見すると、メール送信タスクに登録します。メール送信タスクに登録されると、登録順に送信処理を開始する仕組みになってます。二つのタスクが別々に動作しているため、メール送信中であっても、メールジョブリスト から送信時刻になった ジョブ を発見し、メール送信タスクへ登録することを可能にしました。そのため、同時刻に複数登録しても、送信漏れを起こすケースをほぼ防ぐことができます。

極端に送信時間がかかって、送信時刻を過ぎたメールでも、送信漏れを引き起こしてしまう事象が同時に解消されます。また、メールごとにアカウントや返信先を変更できることも、できるだけ自由度を高める工夫のひとつです。マクロ機能を搭載したことも、使い道を「薬の時刻を教えてくれるだけのソフト」から一歩先に出ようとする試みでもあります。マクロ機能を応用すれば、iモードやEZwebの絵文字を送ることも可能です。

お使いいただいている皆さんからのメールによると、夜中の覚え書きとして昼間の自分へメールを出したり、買い物する時刻に買い物リストをメールで送ったりと、薬の時刻だけでなく、さまざまな使い方があるものだと思いました。マクロ機能を使えば、パソコンの状態監視などにも応用が可能ではないでしょうか？

今後のバージョンアップ予定ですが、マクロの機能追加は、（お使いの皆さんからの要望があった場合を除き）ひとまずお休みさせていただき、これからは、メーラとしての機能を少しずつバージョンアップしていく予定です。現在、開発中の機能は、送信ログ機能です。また、絵文字の入力を楽にする機能も企画中です。

これからも「ほたすら ピルメール」をよろしくお願いします。