「TBack21」は、バックアップデータを圧縮して保存できるバックアップソフト。ファイル/フォルダを指定してバックアップを実行すると、対象がLZH形式の圧縮ファイルとして保存される。バックアップの方法は、

• すべての対象ファイル/フォルダを新規に保存する「新規バックアップ」
• バックアップ元とバックアップ先の内容を同一にする「ミラーリングバックアップ」
• 前回バックアップ時から変更された部分だけをバックアップする「差分バックアップ」

個別のバックアップ設定では、バックアップ対象にサブフォルダを含めたり、除外するサブフォルダを指定したりできる。特定のファイルだけを対象とする（または除外する）ことも可能。さらに、バックアップモードや圧縮モード（LZH形式/EXE形式）、バックアップファイルの分割の有無を指定できる。ファイル分割は、保存先メディア容量が足りないときに自動で分割する「自動分割」、フロッピーディスクに保存する際に便利な「FDD（1.44MB）」、分割サイズを指定する「ユーザー指定」のいずれかを選択できる。

バックアップの実行は「自動バックアップ」「選択バックアップ」の各モードが用意されている。自動バックアップは、前回のバックアップ時から、「グループ」で指定されたバックアップ頻度の時間を経過しているものを対象にバックアップを実行する。選択バックアップでは前回バックアップ時からの経過時間にかかわらず、選択されたバックアップ設定を即時実行する。「TBack21」の起動と同時に自動バックアップを実行させることも可能だ。

「TBack21」は、そのバックアップファイルのサイズを極力抑えようというバックアップソフト。圧縮に加えてファイルを分割することもできるので、フロッピーディスクのような小容量メディアにもバックアップを取ることができる。しかも、バックアップファイルを保存するフロッピーディスクのフォーマットや結合もできてしまうという親切ソフトだ。

親切なのはそれだけではない。必要なファイルだけをバックアップできるよう、バックアップ設定が細かくなっているのだが、この設定をできるだけわかりやすくしようという工夫がなされている。ウィザードを使っての設定もできるし、手動設定でも設定画面には設定項目ごとに解説が書かれてもいる。さらに、設定ファイルには解説を兼ねたサンプルが含まれていて、迷うことなく設定できるようになっている。

もちろんバックアップ機能自体も十分なもので、バックアップ対象の設定も、対象フォルダ/ファイル、除外フォルダ/ファイルを上手に使えば、あらゆるパターンに対応できるし、ミラーリングや差分バックアップで効率的なバックアップが可能だ。よくできたソフトだと感じた。

開発中に苦労した点
バックアップソフトは信頼性が命ですが、特にファイル名の判定ルーチンでは、ファイルの更新状況の判定、文字コードとの関係、UNLHA32.DLLの仕様の解決等に苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
ずばり、差分バックアップです。設定ファイルを一度作ってしまえば、2度目以降は、更新（削除も含む）されたものだけをバックアップ先のデータに反映しますので、便利だと思います。

今後のバージョンアップ予定
うーん、実はこのソフトにレジストリバックアップ（特定のキーだけを指定したバックアップ）機能を付けるつもりだったのですが、ほかに優秀なソフトが登場したので、頓挫状態となっています＾＾；。とりあえずは安定した状態だと思ってますので、あとは要望次第でバージョンアップは考えたいと思います。