「RAYDemo2004」は、光を放ちながらゆらゆらと揺れ動く架空の生き物「発光蟲」を鑑賞することができるスクリーンセーバだ。前作「RAYDemo for DirectX」をフルカラー対応にした上で、設定項目を追加している。

起動すると、画面中央から何十もの光点が輝度を変化させつつ円を描くように広がり、再び中心に戻ってくる。その後、同じように外側に向かっていき、ある程度の輪を形成すると、それまで共通の動きをしていた光の粒が、今度は右へ左へ、内へ外へと弧を描いて散っていく。その規則性と不規則性が、あたかも生き物が誕生し、不安を感じながらも一斉に巣立っていくような、そんなイメージを醸し出す。

光の色や大きさ、移動方向や速度などが異なるのはもちろん、きれいなカーブを描くものもあれば、ふらふらと頼りげない動きを見せるものもいる。しばらく一点にとどまることもあるなど、光の粒一つひとつの動きを注視するだけでも楽しめる。そして気がついてみれば、いつの間にか画面一杯に広がっているのであった。それぞれ勝手な動きをしているはずなのに、全体を見渡すと美しく連携しているように見えてしまうのが不思議だ。やはり生き物だからお互いに感じあうところがあるのだろうか。

光点の数と強さを設定できるほか、光の残像を残す「しっぽ」と、画面全体に残像効果をつける「ブラー効果」それぞれのON/OFFを設定することができる。ブラー効果がONのときは、残像が残る時間を「ブラー深度」で調整することも可能になる。個人的には「しっぽ」と「ブラー効果」の両方をONにした状態が、非常に幻想的で気に入った。ただし、数や強さを大きくしたり、効果をかけた場合は、CPUパワーをそれなりに消費する。動きが滑らかではないなと感じたら、各設定を調整してみよう。

起動直後は同じ動きしかしないことが気になる人もいるかもしれないが、この動きこそが、その後に続くランダムな動きを一層リアルに感じさせているのだと思う。シンプルだからこそ、不思議な光の乱舞を純粋に楽しめるスクリーンセーバといえる。

開発中に苦労した点
前作のプログラムをフルカラーに対応させただけなので、特に苦労はありませんでしたが、処理速度の問題が若干ありました。特に円を高速できれいに描画するのに問題があり、いまのバージョンでも塗りつぶしきれてないところがあります。それが今後の課題です。

ユーザにお勧めする使い方
光の数・大きさ・画面効果など、自分好みにカスタマイズできるようになっているので、その日の気分に合わせた画面を楽しんでください。とくに本バージョンではブラー深度（残像の度合い）を変更できるようになったので、入力した数値によってはおもしろい画面効果が得られるかもしれません。ぜひお試しください。

今後のバージョンアップ予定
円をもっときれいに描画する方法を模索中です。また、もしダウンロードしてくださった方からご意見・ご要望等をいただけたなら、それも反映させていきたいと思っています。