星空図は、全天または東西南北の半天を選択して表示できる。表示できる天体は、

• 5.0等級までの恒星（約1,400個）
• 8等級までの星雲星団
• 地球と冥王星を除く太陽系の惑星
• 太陽
• 月
• 天の川

初期状態では、起動時刻が17時から翌6時までの夜間の場合は「現在時刻」の星空を、それ以外の時間帯では「21時」の星空を表示する。観測地は、OSに登録されている都市の位置が自動的に指定される。日時と観測地はユーザが設定することも可能。日時は2000年〜2015年まで、観測地は北緯25〜45度/東経125度〜145度の範囲で選択でき、ほぼ日本全体をカバーする。

画面では星空図のほかに、欄外に年月日/時刻と月齢が表示される。星空図の上でマウスポインタを合わせることで、その位置の星座名や星の名前（3等星以上）、星の光の色を表す「スペクトル型」、星団の種類といった情報が自動的に表示される。マウスをクリックすると、その点を中心とする拡大図が右下に表示される。

星空図の中に、星名や星雲星団名、星座名を表示させることも可能。名前の表示を黄道星座（太陽の通り道にある12の星座。星占いに用いられる）だけに絞ることもできる。実際の観測に役立つ星座線（星座の結び線）や、「夏の三角形」「カシオペアのW」といった、星を見つけるための目印も表示できる。

天体を一覧から検索する機能もある。検索対象は惑星/恒星/星雲/星団（散開/球状）/変光星/重星。該当する天体が星空図に存在する場合、位置と拡大図が表示されるとともに、検索画面に高度や方位角などの情報が表示される。

「目印」の表示では、季節ごとの代表的な「三角形」「四角形」のほか、「織女星（おりひめ）/牽牛星（ひこぼし）」「北斗七星」「すばる」といった、日本でおなじみの星の呼び名も表示されるのがうれしい。反対に文字をすべて消せば、星だけの表示となって、実際の星空をイメージしやすくなるし、観測時の比較対照も容易になる。

設定で表示等級を制限できたり、名称から探せたりする検索機能は、多くの星の中から観測したい星だけをすばやく見つけるのに役立つ。初心者にとっても使いやすく、親切に設計されているなと感じた。それでいながら、恒星や星座線、黄道や赤経などの表示線について、それぞれの輝度を調整できたりするあたりは、マニアックな雰囲気で楽しい。日ごろから天体観測を行っている人たちも十分満足できる出来だと思う。

なんといっても操作が単純で、天体観測の楽しみを手軽に味わえる。機能が豊富でありながら画面のレイアウトもすっきりとしており、観測のお供にノートパソコンで持ち運びたくなるソフトだ。

開発中に苦労した点
軌道計算の式、座標の変換、星の位置や天の川のデータ入力に時間がかかりました。

ユーザにお勧めする使い方
星の瞬きや流星など見ているだけで楽しく、心が癒されるようにと思いました。画面を大きくして、部屋を暗くしてご覧ください。惑星や星雲、星団、重星など、小さな望遠鏡や双眼鏡で楽しめるものを検索できますので、ぜひ、実際の天体を観察されたらと思います。

今後のバージョンアップ予定
まだ直したいところや、いろいろなアイデアがありますので、さらに使いやすく充実したものにしていきたいと思います。ご意見、ご指摘、ご感想等のメールをお待ちしています。