「彩彩畑」は、継ぎ目なく並べることのできる「シームレス画像」の作成機能を中心に、「ネームプレート」「アイコン」「かたちごっこ」といった、用途ごとに使い分けられる複数のツールからなるグラフィックソフト。多彩な機能を備えながらも、直感的に操作することが可能で、思いもよらない美しいシームレス画像を簡単な操作で作成できる。

「シームレス画像」作成ウィンドウの描画エリアには、作ろうとする画像が縦横に並べて置かれる。どの部分にペンを置いても、すべての面に描画されるようになっており、ユーザは上下左右の繋がりを意識することなく、簡単にシームレス画像を作れる。作成する画像の大きさは、32×32ピクセルから160×160ピクセルまでの7サイズから選択できる。

描画アイテムは「ペン」「ブラシ」「ライン」「文字」の4種類。ペン先の太さや色はリストから簡単に指定できる。利用できるエフェクトは多彩。画像の明暗や色の強調を行う基本エフェクトに加え、拡張エフェクトとして色調整やアート処理、モザイク、ぶれといったものが用意されている。色分解や画像のシフト、回転、反転、サイズ変更、上下/左右方向への画像の圧縮といった操作も行える。

便利な機能に、シームレス画像を自動生成してくれる「無限素材」がある。「無限素材」では、多数の素材パターンがカテゴリー分類されており、素材を選択するだけで、「シームレス画像」作成ウィンドウに取り込める。素材カテゴリーは、「壁面素材」「クロス」といったものから、「顔（アイコン）」「グラデーション」といったものまで、実に多彩。システムアイコンを素材パターンとして利用できるほか、ユーザが好みのアイコンを素材にすることもできる。

「ネームプレート」は、シームレス画像を背景にして、Webページで使えるようなプレート画像を作成できる機能。2行までの文字入力と、文字やプレートに装飾を施すことが可能だ。文字には「打ち抜き」や「エンボス」「ずれ」「グラデーション」「レインボー」「テクスチャ」といった処理を加えられる。プレート画像にもさまざまなテクスチャが用意されており、フレーム処理を行うことが可能だ。

アイコン作成ウィンドウ「あいこん畑」では、32×32のアイコンを作れる。自由描画で作成できるのはもちろん、豊富に用意された基本図形やテクスチャも利用できる。「無限素材」同様、システムアイコンや任意のアイコンを元にして、ユーザが手を加えたオリジナルアイコンを簡単に作れる。

その高機能ぶりはもちろんのこと、感心したのは、とにかくソフトの作りが親切なこと。例えば、ペン先の太さや色の指定がしやすく、またきめ細かい。ブラシのリストでも別の6色を表示させることもできれば、同系色だけをまとめて表示させることもできるなど「使いやすさ」「作りやすさ」に対する配慮が行き届いているという印象を受けた。

「彩彩畑」の大きな目玉はやはり「無限素材」機能ということになるのだろう。実際、この機能があれば絵を描くことに自信のない人でも、ごくごく簡単に（自動生成なので当然だが）シームレス画像を作ることができてしまう。しかし、「彩彩畑」を使っていると、それだけではいかにももったいないという気がしてくる。各種テンプレートは豊富なので、ハードルは高くない。ヘルプも非常にわかりやすい。Webページを作っている人には、ぜひぜひ試してもらいたいソフトだ。

もうこれで、素材探しのためにインターネット上を彷徨う必要はなくなるかもしれない。

「彩彩畑」には、描画を楽しむためのたくさんのツールを用意しました。実装されている数あるツールの中でも「無限素材集」はお勧め機能です。これだけを取り上げても、グラフィックソフトのとしての個性を十分に発揮していると自負しております。

“小さな画像は彩彩畑におまかせください”のキャッチコピー通り、「彩彩畑」はシームレス画像だけではなく、「アイコン」「ネームプレート」も作成できるようになっています。さらに、ペンイント系ソフトだけでは表現しにくい効果を出すための「かたちごっこ」というドロー系のミニアプリケーションも同梱しました。

なにはともあれ、いろいろなボタンを押してみてください。気まぐれな画像を楽しんでいただければ、このソフトを作った甲斐があるというものでうす。

開発時の苦労話ですか……？　さて、開発に苦労したことなど一回もありません。なぜならプログラミングは楽しくて楽しくてしょうがない作業ですから。作者の頭脳は、高度なテクニックを駆使できるほど立派な脳細胞でできてはいません。苦労するほど難しいアルゴリズムを使っているわけがないのです。プログラミングは娯楽です。「こんなことができたらいいな」が実現し、「あんなことができたらいいな」が可能になっていく。こんな楽しい作業に苦労などあるはずがありません。難しい開発はできないけれども、使う人が楽しく編集し愉快な使い方ができれば「彩彩畑」の存在価値があります。

そう、今までにない、世にも不思議な描画方法を発見できたらいいですね。IROMSOFTの技術は低レベルではありますが、思いついたことはソフトに反映していきたいです。技術より個性ですか。そうですね、これからも。