あらかじめ指定したフォルダを「SSL」と呼ばれる暗号化された通信によってアクセス可能にする“セキュアな”ファイルサーバ。自宅や会社でファイルを公開する際、データを暗号化することで、他人に盗聴されることなくアクセスすることを可能にする。「セキュアファイルサーバ」で公開されるファイルは、一般的なWebブラウザで参照できる。ブラウザでサーバのURLを指定すると、最初にパスワードの入力が求められる。サーバの公開者は、アクセスユーザごとに公開するフォルダを指定することが可能で、入力したパスワードに応じて、指定されたファイル/フォルダの一覧がブラウザに表示される。
アクセス後の使い勝手は、インターネットを利用したファイル保存サービス(インターネットディスク)に似ている。例えば、フォルダ名をクリックすると、そのフォルダを開ける。ファイル名をクリックすれば、そのファイルをサーバからダウンロードできる。ファイル/フォルダの横のチェックボックスを選択して「一括ダウンロード」ボタンをクリックすると、選択したファイル/フォルダをまとめてダウンロードできる、といった具合だ。もちろんファイルのアップロードも可能。アップロードすべきファイル名を指定し、「アップロード」ボタンをクリックすれば、選択されたファイルが現在開かれているフォルダに自動的にアップロードされる。
一覧リストでは、フォルダとファイルは色分け表示されるので見分けやすい。ファイルであれば、あわせてファイルサイズも表示される。
「セキュアファイルサーバ」が一般的なファイル保存サービスと異なるのは、ファイルの転送に暗号化された通信「SSL」が使われる点だ。このため接続時のURLは「http://〜」ではなく、「https://〜」となる。また、ブラウザのステータスバーには「鍵」マークが表示される。
ファイル保存サービスでも、パスワードがわからなければデータにアクセスすることはできないが、ネットワークのデータを横から盗聴できれば、どのようなデータが転送されているのかを盗み出すことはできる。しかし、「セキュアファイルサーバ」では、通信内容が暗号化されるため、仮に盗聴できたとしても、ファイルの内容を知ることはできない。
「セキュアファイルサーバ」のプログラム自体は、Windows 2000/XPでは「サービス」として動作するため、コンピュータにログオンしていない状態でも利用できる。