編集方法は一般的なタグ挿入型HTMLエディタと同じで、コンテンツとなるテキストを入力し、見出し部分や装飾したい文字を選択してからコマンドを実行すると、前後にタグが挿入される。もちろん、DOCTYPEなどの基本情報やテーブル（表組み）も挿入できる。画像の挿入では、ダイアログボックスでタグ設定を行うことが可能で、ファイルの選択により画像ファイルのパスが挿入されるほか、画像の表示サイズ、SRC、ALTといった属性をダイアログから指定できる。

カラーコードは複数パターンから好みのものをすぐに入力できる。ツールバーに並ぶカラーコード入力用ボタンは5個。「W3C標準色」「WindowsとMacintoshに共通の256色」「IEとNetscapeに共通の141色」「Webセーフカラー216色」「Windows標準カラー」の各パレットをマウスクリックで呼び出せる。Windows標準カラー以外では、実際の色と色名を見ながら選択できる。

編集画面では、タグやコメントが色分け表示される。桁位置を揃えてソースを読みやすくするためのインデント機能もある。また、タグ入力補完機能があり、タグを正確に覚えていない場合でも、リストから選択して挿入できる。「ソース編集」「プレビュー」の各モードはボタン/ファンクションキーで切り替えることが可能。HTMLソースを保存しなくてもプレビューできる。

ただし、「サイトの作成」という観点からは、リンク用の“A HREF”タグを単に挿入するだけなのはちょっともったいない気がする。というのも、「Visual Website Editor」には「作業フォルダ」という概念があり、ページに埋め込む画像をこの作業フォルダ下に置いておけば、画像を選択するだけで適切な相対パスに置き換えてくれるのに対し、リンク先のページについてはそういう機能がないらしい（筆者には見つけられなかった）からだ。もちろんパスの記述法はWebページを作る上で欠かせない基礎知識ではあるのだが、画像挿入コマンドが便利なだけに、却って落差を感じる結果になってしまったようだ。

また、ヘルプがあっさりしていて、せっかくのタグ補完機能をどうやって呼び出したらよいのかわかりにくいし（実際にはタグを括っている左側の“＜”を入力するだけでよい）、タグのみを削除するコマンドもあった方がより使いやすくなるのではないかと思う。

そのほかでは、ページ編集中、すぐにプレビューに切り替えられるのももちろん大きな特徴だが、筆者にとってそれ以上に目を引いたのはカラーパレットの充実だ。特に、Internet ExplorerとNetscapeの両方で定義されている色やWindowsとMacintoshに共通する色のパレットは、不特定読者を対象としてWebページを作成する人にはとても便利だろう。このカラーパレットは、例えばテーブルタグ挿入時に同時に罫線の色を指定するのとは違って、カラーコードのみを挿入するので、このあたりも慣れを必要とする部分ではある。しかし、手軽に参照できるカラーリファレンスとして、「この機能だけを使いたい」という人がいてもおかしくないほどだと思える。

というわけで、手ごろなタグ挿入型を探している人はもちろん、すでに他のソフトを持っている人にとっても、特定機能の補助用として活躍してくれそうな一本だ。

開発中に苦労した点
タグ別に属性が表示される機能は、プログラムに覚えさせておくのでその点に苦労しました。また、MDIプログラムの制作は初めてだったので、そのあたりも非常に苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
単にエディタ用途で使用するだけでなく、いままで作ったWebページの色指定の部分だけ、このソフトのカラーピッカーを使用して編集し、保存するといった使い方もお勧めです。

今後のバージョンアップ予定
クリップボード履歴や、まだ現在のバージョンのツールバーにないタグのボタンを増やしたり、リンク切れをローカルだけでなくネット上のものもチェックしたりのほか、スタイルシートのファイルの編集モード、JavaScriptの編集モードなど、これからもどんどんいろいろな機能を付けていく予定です。