プレイヤーが操作するゲームの主人公は「ほるん」。マイペースでおっちょこちょいの死神見習いの少女だ。ほるんの仕事は、担当の魂さんを天国まで導いてあげること。今回が初仕事なので、非常に張り切っている。

しかし、魂さんの天国行きは簡単ではない。行く手には「現世のしがらみ」「地獄からのお誘い」「天国の番人」などの敵が、魂さんの天国行きを妨げようと待ちかまえている。はたしてほるんは無事、魂さんを天国まで送り届けることができるのだろうか？

ゲームは、魂さんを導いて制限時間内にステージ上のカギをすべて集めさせ、出現したゴールに到達させることができればステージクリア。ただし、魂さんはまっすぐにふわふわと漂うだけで、自主的に移動しない。そのため、直接押したり、大鎌で一直線に吹っ飛ばしたり、鎖鎌を引っ掛けて引き戻したりして誘導しなければならない。ほるんには、一度に敵の1キャラだけ石化させる能力がある。移動時に魂さんが敵にふれるか、制限時間内にゴールにたどり着けない場合はゲームオーバーとなる。

ゲームそのものもユニークでよくできている。ルールや操作は簡単だが、ゲームバランスが絶妙で、実に手強い。ふわふわと漂う魂がなかなか思い通りに動いてくれず、実にハラハラドキドキ、イライラさせられる。あとちょっとでゴールインというところで時間切れになったときの悔しさといったら、思わず魂の頭を思いっきりはたきたくなるほどだ。

ステージが進むにつれて、どんどんと難しくなってゆき、仕掛けも増えてゆくのがこれまた楽しい。まったく同じステージはひとつとしてなく、必ずなんらかのアイデアが追加されている。

たったこれだけのステージ数で終わってしまうのがもったいなく、もっと長いこと楽しみたい──そんな気分にさせられたゲームである。

社会人と就活中の学生とで忙しいなか作り上げたこの作品は、「死神が魂を天国に導く」という内容のパズルアクションゲームです。下手をすれば不謹慎極まりない印象を与えてしまいそうなテーマですが、うまくポップな感じでまとめられたと思います。

「フリー素材に頼るのは邪道！」という、頑固職人のようなこだわりのもと、グラフィック・音楽・効果音に至るまですべて手作りです（肝心のゲームプログラム自体はツールのお世話になってしまいましたが……）。

ご意見、ご感想などいただければ幸いです。よろしくお願いします。