プレイヤーキャラとなる主人公は、「スタートの村」で暮らす普通の子ども。スタートの村では、昔から子どもたちに囲碁を教える慣習があり、主人公も囲碁の知識を持っていた。ある日、家の裏にある蔵を探検していた主人公は、古い壷に入った手紙を発見する。しかし、手紙があまりにも古かったため、文字のほとんどがかすれて判読できない。そこで、手紙を村の長老に見せた主人公は、「昔、村を訪れた旅人が手紙を残しており、その手紙を見つけたら旅に出なければならない」という村の言い伝えを聞かされる。主人公は、手紙の中でかろうじて判別できる「さんさいき」と「ベールむら」という単語を頼りに、ベール村への旅に出る……というストーリー。ゲームは、主人公がベール村に着いたところからはじまる。

ベール村は小さなエリア（ステージ）に分かれており、エリア間は「門」でつながっている。村の中心に近づくには、この門を通って次のエリアに進んでいく。ただし、門を通るには、（1）ステージ内のある人物にベール村の話を聞く、（2）必要なアイテムを持っている、（3）一定以上のステージ得点を取得している、という三つの条件が必要だ。

特定の人物から話を聞いたり、アイテムを手に入れたりするには、村の中を歩き、人やアイテムを見つけて近づけばよい。また、エリア内で「宝箱」を見つけると、「ステージ得点」を稼げる。宝箱に近づくと「この問題に挑戦しますか？」という質問が表示され、「はい」を選択すると、詰め碁問題がスタートする。詰め碁で勝利すると一定の得点が入るほか、運がよければアイテムを手に入れられる。勝負に負けても、（通常より低いが）得点できる。ゲーム中に出題される問題は囲碁5級から10級程度と比較的簡単。ただし、時間制限があり、時間内に解答する必要がある。

ゲームの中心となるのは囲碁だが、「ベール村」の秘密を調べたり、アイテムを見つけるといった冒険は普通のRPGと同じ。ベール村の謎を解いたり、ストーリーを進めるために敵と戦ったりしているうちに、自然と囲碁に強くなれるのが特徴だ。ゲーム内で詰め碁に失敗しても正解が表示されないので、何度も繰り返し遊べるのもうれしい。

モンスターを倒すと手に入る装備の種類は豊富。剣や兜などには「超レア装備」などもあるため、さまざまなモンスターと戦って勝利したい。ただし、モンスターを倒して剣を手に入れると、現在まで装備していた剣は消えてしまう。そのため、苦労して装備を手に入れても、あとに残らないのが少し不満だ。できれば、手に入れた装備をリスト化して全装備コンプリートを目指したり、複数の装備を着せ替えで遊べるといった要素があると、さらにうれしかった。

三部作の第一作とのことなので、続く第二作、三作に期待したい。

「三彩棋物語」は「物語の世界を詰め碁の問題を解きながら冒険していく」という新しいスタイルのゲームです。囲碁そのものは勝敗を争うゲームですが、「三彩棋物語」は囲碁の知識でロールプレイングゲームを楽しむというものなので、せっかく覚えた囲碁を違った方向から楽しめるのではないかと思っています。

開発中に苦労した点
このゲームの開発で最も重視した点は「何度でも遊びたくなるロールプレイングゲーム」という点です。多くのロールプレイングは一度最後までプレイしてしまえばストーリーがわかってしまうので「それで終わり」ということが多いと思います。その点、「三彩棋物語」では何度も遊びたくなる工夫をしています。

ひとつは「詰め碁」。冒険の最中に出合う詰め碁はあえて答えを表示しません。何度も冒険をしているうちに、間違えた問題でもいつの間にかできるようになっていくでしょう。もうひとつは「装備」。途中で出会うモンスターが出題する詰め碁に正解すると、剣や鎧などの装備を手に入れることができます。何度も冒険にトライしていろいろな装備を集めるという楽しみがあります。

ユーザにお勧めする使い方
モンスターが出題する詰め碁に正解すると剣、鎧などのいろいろな装備を手に入れることができます。ところが、不正解になるとカッコ悪い装備に無理やり取り替えられてしまうのです。これらの装備の組み合わせはなんと5,000万通り以上！

兜から靴までを同じ種類のものになるように集めたり、超レアな装備を集めたりなどいろいろな楽しみ方があります。主人公が装備を身に付けているところを記念写真を撮って記念写真館に飾ったり、友達にメールで送ることもできます。でも、そのためにはまず「詰め碁」に正解しなければなりません！　ぜひ、囲碁の腕を磨きながら装備集めを楽しんでみてください。

今後のバージョンアップ予定
「三彩棋物語」は三部作の予定です。今回はその第一部で「みどりのまき・ベールむらのひみつ」です。今後、第二部、第三部をリリースする予定です。また、各物語で詰め碁のレベルの異なるものも出す予定ですので、いろいろな棋力の人に楽しんでいただけると思います。メインターゲットは子どもなのですが、内容的には大人の方でも十分に楽しんでいただけると思いますので、大人の方もぜひトライしてみてください。