「速読道場」は、読書スピードの向上を目的とした眼と脳のトレーニングソフト。眼で見たものを瞬間的に処理する訓練や、文章をすばやく眼で追って理解する問題などが収録されている。速読術を身につけることで、受験勉強の効率化などにつながる。

トレーニングは、「総合テスト」と「個別練習」の2種類のプログラムからなる。総合テストは、現在の速読レベルを判定するためのテストで、「瞬間記憶」「スキャン」「数列探し」、および「文書の読解」の4種類のテストで構成される。

「瞬間記憶」は、中央に瞬間的に表示される数字を読み取り、複数の数字の中から同じ数字を選択するテスト。注意力や識別能力、記憶力をチェックする。同じく識別能力などを判断するための「スキャン」テストでは、左端に数字が瞬間的に表示されたあとに、右側に並ぶ数字の中から同じものを選択。「数列探し」は、複数の数字を小さい（または大きい）順に次々とクリックしていくテストだ。最後の「文書の読解」は、数文字ずつ連続で表示される文章を読んでいき、最後に内容に関する質問に答えるというもの。読解力、速読力をテストする。なお、「文書の読解」は収録されている文章から好きなものを選択することが可能だ。

各テストが終了するたびに正解率が表示され、正解率が低いと再度テストしなければならない。結果はユーザごとに管理され、2回目以降のテストでは、それまでのテスト結果に応じてレベルが変化する仕組みだ。

一方の「個別練習」では、いくつかのプログラムが用意されており、自分に合ったトレーニングを集中的に行える。この練習では、レベル（1分あたりの文字数）を自由に調節することが可能だ。総合テストと同じ問題だけでなく、離れた場所にある数字を同時に認識する「視野拡大」や、画面上を移動する点を眼で追っていく「眼の体操」といった練習も用意されている。

何度かテストしてみたところ、すぐに練習の効果が出たわけではないが、繰り返し問題を解いているうちに眼が慣れてくるのは感じられた。名前を登録しておけば、テストするたびに自動的にレベルを調整してくれるので、意識することなく自然にテクニックを身につけられるわけだ。だんだん速さに慣れてきたら、自分でレベルを上げてどんどん挑戦していけるゲーム性もある。

ただ、はじめて挑戦する際に、やり方がよくわからず戸惑ったテストがいくつかあった。ヘルプはどの画面からでも参照できるものの、テストの開始前にアニメーションによる操作方法の解説などがあると、よりわかりやすいのではないかと思う。

ユーザにお勧めする使い方
きっちりと練習計画を立てて、地道に続けていただきたいです。おもしろい練習だけ集中的にやっても効果はあると思いますが、やはりすべての練習をまんべんなく、そしてコンスタントに行うのが一番です。そしてさらには、このソフトで基本的な眼と脳の力をつけてから、紙の書籍でもトライしてみてほしいですね。目的はあくまでも本を速く読めるようになることですから。とはいうものの、今まで「速読なんて」と思っていた方々が、「へぇー」と感じて楽しんでいただければ、それだけでも私たちにとってはうれしいことです。気軽に遊びながら、ぜひ速読をマスターしてみてください。

今後のバージョンアップ予定
できる限りの工夫を凝らして作ってはいますが、まだまだ未熟で発展途上の部分がたくさんあり、例えば以下のような機能をどんどん改良していきたいと思っています。

• 縦読み練習ができるようにする
• もっと気の利いた音声の追加
• 読解問題の増量＆ランダム化
• 新規練習文の追加
• 新しい練習の追加
• カスタマイズ機能の充実