「PrepTutor」は、英単語やイディオムを覚えるための強力な学習機能を備えたソフト。「暗記マシーン」「Quiz」の二つの学習モードに加え、「List」「備考・注釈」「検索」の計5種類のモードを備え、さまざまな角度から英単語・イディオムを学習できる。

「暗記マシーン」は、登録されている英単語（またはイディオム）を1語ずつ画面に表示していくモード。綴り、定義（意味）のいずれかを非表示にして、単語をひとつずつ覚えていくことができる。表示する語の順番は、毎回入れ替える（シャッフル）ことが可能で、表示順に左右されることなく、反復学習でしっかりと覚えられる。表示する単語の選択範囲は「しおり」「重要語」の2種類のマークで限定することが可能。例えば、すでに暗記したものに「しおり」をつけて、単語選択から除外したり、特定の単語を「重要語」とし、これだけを抜き出して反復学習するという使い方ができる。「しおり」「重要語」を重複設定したり、シャッフルと組み合わせて使ったりすることも可能だ。

「Quiz」は、登録されている英単語の中から10語ずつテストが出題されるモード。テストは定義（意味）から正しい英単語を答える英訳問題で、キーボードから単語の綴りを入力して解答する。時間制限はなく、正確な綴りを完全に覚えることが目的。各出題語には「ヒント」として先頭/末尾の各1文字と単語の文字数が表示される。「暗記マシーン」と同様、順序のシャッフルや、「しおり」「重要語」による問題の限定・除外を行える。

「List」「備考・注釈」は、登録されている単語の内容を閲覧、編集するためのモード。「List」モードでは登録単語を一覧リストで表示する。リスト中の単語について、キーボード入力で綴りや定義を編集できるほか、単語の追加・削除などを行える。

「備考・注釈」モードは、1単語ごとに1枚の「カード」形式でデータを表示するモード。各カード上で単語の英語綴りおよび定義の編集を行えるほか、同意語・反意語、Definition（英語による定義）、例文、語源、発音といった情報を入力できる。さらに「備考」欄が設けられており、ユーザが自由にメモを書き込むことが可能だ。

「検索」モードでは、英単語（綴り）と定義のほか、「備考・注釈」で入力した他のフィールドの内容のすべてを対象に検索を行える。

まず、単語登録ソフトとして求められる「データの追加・削除」の容易さに加え、学習ソフトとして求められるデータ選択・変更、さらに単語選択やシャッフル操作の簡単さが光っている。特に「Quiz」モードでは、チェックした項目だけを選び出し、すばやくシャッフルして問題作成ができるなど、英単語学習にはどうしても欠かせない「反復学習」をストレスなく行える点が最大の特徴だろう。

もともとわかりやすいインタフェースを持ち、データの追加・編集が容易な「FileMaker Pro」をベースにしているだけあって、全体的な操作は直感的に行える。デザインもカラフルだし、スキンによる外観の変更という遊び感覚もうれしい。

「List」「備考・注釈」は本来、データの閲覧や編集のための機能だが、「暗記マシーン」と同様のシャッフルボタンがある。また、「しおり」「重要語」のマーク（非マーク）は「検索」以外の四つの画面上で行えるなど、操作に関してはなかなか融通度が高い。

「備考・注釈」欄では、単語の「意味」にとどまらず、辞書に記述されている「解説」を入力することができるので、単なる「単語帳」というよりもオリジナルな内容を記した「自分だけの辞書」を構築できるだろう（当然、自分でこつこつデータ入力する必要があるが）。例えば、必要な（学習したい）単語だけを集めた単語帳、必要なジャンルに特化した辞書といった使い方が考えられる。

なお、フリーソフト版では、サンプル英単語が収録されているのみだが、製品版（2,400円）を購入すると、中1〜高3/大学受験特訓/TOEFL/TOEICなど、本格的な英単語・イディオム学習に適した単語データをすぐに利用することができる。

「なんとか楽しく英単語を学習させることができないかな」と考え、フラッシュカードとクイズを組み合わせたソフトを作ることを思いたちました。仕事でよく「FileMaker」を使っておりますので、データベースで単語帳を管理することの使い勝手のよさに目をつけました。

「PrepTutor」のフリーソフト版は、その名の通り無料です。使用制限は使用期間、仕様のどちらにおいても一切ありません。サンプルとして30ほどの単語が入っているだけですが、ご自分で単語を追加することによって自分だけの単語帳を作ることができます。

製品版（各2,400円）はベクター様に委託してのオンライン販売を計画しております。内容は「PrepTutor単語シリーズ」として、中1、中2、中3、高1、高2、高3、大学受験特訓、教科書準拠の各学年、「New Progressシリーズ」の各学年、そしてTOEFL、TOEIC対策版を予定しております。「PrepTutor単語シリーズ」の続編には「PrepTutorイディオムシリーズ」を用意して、これまで私が手作りしてきた教材をより多くのみなさまに公開していきたいと思っています。

現在のところMacintoshのプラットフォームだけですが、Windows版も近々発表できる予定でおります。

「PrepTutor」のフリーソフト版をぜひ、お試しいただいて、使い心地などについてのご意見をお寄せくださるようお願い申し上げます。