開発の動機、背景1.理想の操作方法を求めて
Windowsのスタートメニューを辿りアプリケーションを起動する方法や、たくさんのアイコンの中から目的のアプリケーションを探し出して起動する方法は、意外とストレスをともなう操作だと常々感じていました。パソコンが便利になればなるほどアイコンの数は増える一方ですし、整理整頓が行き届いていない環境では日常的に使うアイコンを探すのも一苦労です。整理整頓されていても日々使うアイコンが増えれば、これまた探すのが煩わしくなるものです。これを解決するために多くのランチャソフトでは、ショートカットキーに機能を割り当てるとかアイコンの表示方法を工夫するなどの方法を提供してくれていますが、「ShiftRun」もこの問題に独自の新しい発想をもとに解決策を提案致します。日常的にパソコンを操作するための操作デバイス(キーボード、マウス)を使う作業状態を想定した場合、以下のようなパターンが考えられます。
- キーボード中心となる作業
- マウス中心となる作業
- または、その両方を使い分ける作業
これらは使用するアプリケーションや使用者の好みなどでまちまちだと思いますが、それぞれの作業状態で新たにアプリケーションを起動することを考えた場合、これまでの多くのランチャ機能は、デバイスの持ち替えや、デバイスごとに操作手順が異なるインタフェース(キーボードではショートカットキー操作、マウスではアイコン選択と操作が異なる)の習得が必要となります。そこでマウスを使っているとかキーボードを使っているとかにかかわらず、共通のアクションで目的のアプリケーションが起動できれば操作が軽減できるのではという発想が生まれました。もうひとつ都合のよい話ですが、日常的によく使うアプリケーションを起動するときくらいは、目を閉じていても操作ができるような簡単なインタフェースを実現したい……との思いもありました。※「ShiftRun」では、マウス操作、キーボード操作にかかわらず、同様のアクションで目的のアプリケーションを起動できます。また操作に慣れると、ナビゲーションパネル(ガイド)表示を行わない状態で操作できます。そして画面を見ない状態でもアプリケーションを起動することも夢ではなくなります。
2.「ShiftRun」の開発思想
「ShiftRun」の設計時には、幅広いユーザ層に受け入れていただくために、以下のようなことを考慮して設計を開始しました。
- マウス操作のみならずキーボード操作でも同様のアクション操作が可能
- 簡単な操作で瞬時にアプリケーションを起動
- 基本は理解しやすい単純なインタフェース
- 操作は誤動作の少ない方法
- 導入時のハードルを低く設定可能とし利用者の上達レベルによりステップアップできる操作性
- なるべく目立たない動作状態
- 操作時にある達成感にも似た操作感覚が得られるような趣味性の実現
3.第2世代のマウスアクション(マウスジェスチャー)機能の実装
マウスの操作機能には、最近やっと? 注目されてきたマウスアクション(マウスジェスチャー)によるインタフェースを使用しています。「ShiftRun」のマウスアクションの原点は、1994年に発表したマウスアクションインタフェースを実装したシェアウェア版の「TACT」の開発経験です。「TACT」の開発で得た実績と開発途中に生まれた新たな発想、そして利用者の方々からいただいた貴重な意見をもとに、また一歩理想に近いマウスアクション機能を実現いたしました(詳細は、http://www.shiftrun.com/DevelopmentStory.htm/を参照してください)。今回のマウスアクション機能は、より多くの方に受け入れられるよう、個人差による操作の差をなるべく少なくするインタフェースを採用するとともに、誤動作の発生率を軽減できるよう努めました。移動のスピードや移動距離などは個人差がでるところだと思いますが、これに対応できるインタフェースを使用するとともに、動作は単純な操作(上下左右の組み合わせ)に限定しました。そして操作経路という概念を導入し、客観的にも理解しやすい車のシフトレバーの操作方法に似た原理を採用しました。あえて経路を固定にすることで操作時の標準化や誤操作の減少にも繋がります(特許出願済み)。また初期状態では、操作のより簡単なゲームのコントローラのような十字の経路パターンを使用することにより習得を容易にしています。お勧めする使い方
「ShiftRun」は、利用者の上達に合わせて使い方を工夫できます。
初級──導入初期は、日常よく使用されるアプリケーションを中心に簡単なアクションから割り当ててください。トリガーがONになったとき、ナビゲーションパネル(ガイド)が表示されても焦ってすぐにアクション(動作)を行う必要はありません。気持ちを落ち着けて確実に操作してください。最初の動作方向によりアプリケーションの種類を分類して登録すると、習得が容易になると思います。画面ポジションという機能がありますから、これを併用すると単純アクションで多くのアプリケーションを登録できます。また二つのトリガー(連続押し、連打押し)に異なる機能を割り当てることもできますから、これを使い分けるのもよいでしょう。
中級──少し慣れてきたら多少複雑なアクションに挑戦してみましょう。ちょっと複雑なアクションによる動作で目的のアプリケーションを起動できるようになると、何ともいえない達成感が得られると思います。拡張機能を有効にしてシフトパターンを複雑なものに変更するのもよいと思います。ある程度アクション操作が多くなる場合には、アプリケーションリスト表示機能を併用すると便利です。アイコンリストからアイコンを選択して実行できるモードなどもあります。
上級──「ShiftRun」の基本的な動作が十分身についてきたならば、思い切って「ShiftRun」の動作気配を消してみましょう。ナビゲーションパネル表示を消した場合にアクション受付状態かどうか判断しづらい場合は、タスクトレイアイコンが変化する設定を有効にされることをお勧めいたします。
ノートパソコンでの使用時にポインティングデバイスの操作が不慣れな方は、ぜひカーソル移動キーによるアクションをお試しください
今後のバージョンアップ予定
より高機能なPRO版(シェアウェア)のリリースを予定しております。またSTN版、PRO版ともに、ほかのランチャソフトなどとコラボレートできるように設定項目のインタフェースを一般公開する予定です。
PRO版の主な機能(予定)──トリガーキーの設定数と種類が増えます。また、シフトパターン(経路)が増えます(オプションで自作することも可能)。
STN版(フリー版)PRO版共通(予定)──ランチャソフト開発者向けに設定項目のインタフェースを公開いたします。
バージョンアップなどの情報は、ShiftRunホームページを参照してください。
(ShiftRunプロジェクト)