「M電卓」は、関数電卓にもなる電卓画面と、計算履歴画面、日付・時間計算画面といった三つの顔を持つ電卓ソフトだ。15桁までの計算を行うことが可能。カスタマイズ自由度が高く、数字以外すべてのボタンのキー設定が行える。

メイン画面は、コンパクトな卓上電卓そのままのインタフェースで、四則演算をはじめとする税込み/税抜き計算（税率はレジストリ書き換えにより変更可能）、平方根、n乗計算、粗利計算を行える。表示桁数を9桁または15桁から選べるほか、数値表示を桁区切りなし/3桁区切り/万億兆で4桁区切りの3種類から選択することが可能だ。タイトルバーやボタン類をまったく表示せず、数値部分のみを表示させることもできる。関数電卓機能を搭載し、三角関数の計算が行えるほか、逆関数、双曲線関数の計算を行うこともできる。

時間計算も可能で、「日付＋/−時間」「日付−日付」「時間＋/−時間」の3種類の日付・時刻計算機能を利用できる。「日付＋/−時間」は、設定した日時から起算して「○日○時間○分○秒後（前）」はいつかという計算を行えるもの。調べたい数値に、−値を指定することもできるので、例えば19（時間）と入力する代わりに1（日）−5（時間）と入力しても同じ意味となる。

「日付−日付」では、指定した二つの日時の期間を求めることができる。結果は、「○日○時○分○秒」「○日」「○時間」「○分」「○秒」の5種類が表示される。

「時間＋/−時間」では、日/時間/分/秒の項目ごとに入力した数値を計算できる。「日付＋/−時間」と同様、それぞれの項目で−値を利用できる。

ユニークな機能として「計算履歴」があり、計算履歴ウィンドウから、履歴の合計/平均/標準偏差/最大/最小/標本数を確認できる。これらの数値および計算結果をクリップボードにコピーできたり、「M電卓」で利用することも可能だ。

しかし、日付・時刻計算機能にはもうひとひねりほしいという印象を持った。というのも、引き算を行う場合、日にちや時間ごとにマイナスを入れなければならない点が、直感的にわかりづらく感じたからだ。加えて要望を述べるとすれば、現在日時および時刻をボタンひとつで入れられると、使い勝手がかなり向上するのではないだろうか。

• ボタン表示がなくコンパクトである
• 実物の電卓と同じように動作する

開発中に苦労した点
実物の電卓と同じように動作するためには内部を知る必要があると思いますが、それがわかりません。2〜3の実物の電卓をいじりながら、中身のアルゴリズムを推測し、何度もプログラムを書き換えました。ソフトのコアになる部分はほんの30〜40行くらいのものです。実際の電卓がどのような設計になっているのかは知る由もありませんが、その最初の40行くらいにかなりの時間を費やしています。

ユーザにお勧めする使い方
Windows付属の「電卓」の代わりに使っていただきたいと思います。表示をボタンなしの9桁表示にして画面の端にでも置いてください。タイトルバーも非表示にするとほかのソフトの一部分のようにも見えたりします。

今後のバージョンアップ予定
先に挙げたコンセプトはそのままに日付・時刻計算のような付加価値を増やせたらと思います。ご意見・ご感想をいただけるとうれしいです。