「CHK_LINK」は、リンク先の有無の状況などを自動チェックするソフト。いちいちページを表示させてリンク先のチェックを行う手間を省くことができる。メインウィンドウは、入力フォームと全6個のボタンのみとシンプル。使い方もとても簡単で、フォーム内にチェックを行いたいURLを入力し、「Check!」ボタンを押すだけだ。左端に用意されている「file」ボタンを押せば、ディスク上にあるローカルのHTMLファイルをチェック指定することもできる。また、Internet Explorerで表示中のページをチェックしたいときは、「IE」ボタンをクリックすることで、URLが入力フォームにペーストされる。

リンクのチェック中には別ウィンドウをポップアップし、ページ内に全何件のリンクが存在し、現在何件目のチェックを行っているかをリアルタイムに表示する。チェックを行う際には、メインウィンドウの右端にあるボタンに割り当てられた3種類のモードを目的に合わせて切り替えて使用する。「g-Page」は通常のチェック、「S-Page」は設定ファイルchk_link.iniに記述されている検索エンジンサイトのURLをスキップ、「L-Page」はリンク先がMETAタグの自動ジャンプ指定されているかをチェックするものだ。

最も大きな特徴は、チェック後の結果表示。すべてのリンクチェックが終了すると、チェック対象のURLをブラウザで開き、チェックを行ったリンクタグの左側にチェック結果を付加して表示する。正常〜応答なしなどといったチェック結果を、◎/○/？/×/△などで表す。ただし、チェックを行うページ内のコンテンツに結果表示と重複する記号が含まれている場合、◎表示を（OK）表示などと自動的に切り替えて表示してくれる。

また、結果表示中のブラウザ画面のタイトルバーには、例えば「++15Links（ X:3 ）++」などと表示する。「++15Links（ X:3 ）++」は、ページ内にリンクが15個存在し、その中でリンク切れが3個あるという意味だ。リンク切れがまったくなければ、「++18Links（ good! ）++」などと表示されるため、チェック結果をひと目で確かめることができる。

ひとつは、チェック結果の記号表示「？」以上の応答値になると、1件につき40秒以上も要したこと。この間はフリーズしたのかと間違う可能性もあり、例えば、リンク一つひとつを確認するごとに秒数を表示するなど、ユーザにソフトの動きを見続けさせることができればよいのではないか。HTTPの概念からすると理解はできるものの、広く利用されるツールであるならば、要改善だろう。

また、チェックを行うWebページの背景が黒い場合には困った問題点がある。それは、リンクチェック記号が黒色文字に固定のため、背景に溶け込んでしまい判断ができなくなるのだ。これには白にオプション設定できるなどの改良があるとよいと感じた。

クリッカブルマップの場合には、画像の後ろにマップ内のリンクチェック結果がまとまって列記されるのが気になった。「CHK_LINK」の特性上、シンプルな表示結果を心がけているのだろうが、HTMLタグによってはリンクと結果表示記号の関連がわかりづらくなってしまう可能性がある。このため、あまり複雑なレイアウトになっていないWebページであり、リンクタグ（Aタグ）が規則正しく多数に含まれているWebページが格好のチェック対象と考えたい。

作者の苦労が垣間見られた個所もある。それは、ソフトのヘルプ内に書かれていた「いくつかのサーバでは、エラーコードを返さないで、サーバ独自のページを送信してくる場合があるようです」とのコメント。確かにWebサーバの403（Forbidden）は、サーバソフトの設定によって独自のページを用意するようなカスタマイズが可能だ。このため、作者が書かれているように、本当に403エラーなのかを判断するのが難しいのだ。

最初（2001年10月）は、個人的なツールとして使っていました。あるときアルバイトでホームページ作成を手伝い、このツールが役に立つことがわかりました。そこで他人に使ってもらえるように「CHK_LINK」を作り直し、公開いたしました（2002年7月）。

苦労したのは、「個人的な」と「人に使ってもらえる」ツールのギャップです。実際、辛い部分もあり、「フリーで公開するの？」と、自問自答もしました。3〜5倍の作業量になったと思います。

自分で言うのも変ですが、「CHK_LINK」は不思議なソフトです。バージョンアップしたことを自然に連絡できます。そして、どのくらいの人が使っているのかも表示されます。現在（2003年1月）1日50〜100件増えています。ホームページ環境（Webサーバ、httpプロトコル、HTMLの仕様、ブラウザ、Scriptの動き）でわからないことや摩訶不思議なことが多く困っていますが、この件数を励みに、不具合修正や要望対応を続けたいと思っています。