「Holy Knights〜忘れられた手紙〜」は、郵便局員の青年を主人公にしたRPG。さまざまな事件に巻き込まれ、モンスターと戦いながら、差出人を求めて世界中を冒険する。ゲームの登場人物たちと文通をするサイドゲームなども用意されている。

主人公の住む、村民わずか14名の小さな村には「晦日前日の晩に届いた宛先不明の手紙を開いてはならない」という伝説がある。まさにその晦日の前夜に、宛先も差出人も、何もかも不明な手紙が郵便局のポストに投函された。しかも伝説によれば、その手紙を開けてしまうと、開けた者と村に恐ろしい災いが降りかかるという。そのため中身を確認することもできない。一切の手がかりがないまま、青年は郵便局員としての使命を果たすため、差出人を捜し出す決心をした。彼の支えは「村は孤島にある。船が出ない限り、差出人は必ず島内にいるはず」という一事のみ。はたして青年は差出人を発見できるのだろうか……というストーリー。

ゲームシステムは、街の外に出現するモンスターたちと戦いながらお金と経験値を稼ぎ、装備を買い揃えて主人公をレベルアップさせてゆく、というファンタジーRPGとしては一般的なもの。ゲームの目的はあくまでも手紙の差出人を捜し出すことだが、その過程で出会う人々を助けたり、巻き込まれるさまざまなトラブルを彼らと協力して解決したりすることを中心にストーリーが展開していく。

「文通システム」は、旅の途中で出会い、文通の約束をした人から来たメールに対して、いくつかある選択肢の中から内容を選んで返事を作成するというものであり、操作は非常に簡単である。時折、文通相手から店では買えないアイテムをもらえるなどのイベントが用意されており、郵便というテーマにマッチした非常にユニークなサイドゲームに仕上がっている。

ソフトを開発しようと思った動機、背景
小学生のころに家庭用ゲーム機の「RPGツクール」でRPGを作っていたのですが、それでは現在の「RPGツクール2000」のようにゲームを配布することができなかったため、「作るのを楽しむ」ということ以外に楽しみを見つけられなかったのです。それで「作るのが飽きた」ときに挫折してしまい、また作っては飽きて挫折して、の繰り返しでした。

それから何年か経ったある日、「RPGツクール2000」で作られたおもしろいRPGと遭遇しました。そのRPGの公式サイトは「個人でここまでできるのか」と思うほどとても魅力的で、私に「配布する」という新たな楽しみを教えてくれたのです。それ以来ずっと「RPGツクール2000」の新たな魅力に惹かれ……あっという間に2年が経過しようとしています。

開発中に苦労した点
やはり「文通システム」を作ることが何より大変でした。なにしろ、一つの話題で約4通りの返信を書く必要があり、それが1回のやりとりで2〜3個存在します。一人の文通相手につき平均7回のやりとりがあり、それが全部で10人ですから……「4×3×7×10＝840（返信の数）」……正直もう二度とやりたくないです。

ユーザにお勧めする使い方
普通にプレイするのではなく、ちょっと寄り道しながらプレイすると、制作者の仕掛けた数々の小細工を発見できると思います。また、「モンスターも町人も一人ひとり生きている」というこだわりで付けられた町人の名前に注目すると、おもしろい部分がいくつか見つかると思います。今作のメインシステムである「文通システム」と「Holy Knightsシステム」は絶対にプレイするようにしてください。これらをやらずにクリアは語れません。

今後のバージョンアップ予定
バグが発見され次第、時々バージョンアップしていく予定ですが、イベントやダンジョン等の内容の追加は行わない予定です。今作はシリーズものの第1作目ですので、今後続編、番外編等を配布していこうと考えています。

最後に……
まさかVectorさんの新着ソフトレビューにコメントを書くことになるなんて、夢にも思いませんでした……。このゲームがここまで来ることができたのは、体験版をプレイして感想をくださった方々、そして、応援してくださった方々のおかげです。ありがとうございました。今後もさらなる発展へ向けて頑張ります。