ソフトを開発しようと思った動機、背景
「Mail Check It!」の開発を考えたのは、それまで使用していたメールチェッカではSPAMメールであっても着信通知をしてしまうため、仕事に支障が出はじめたからです。というのも、普通、メールチェッカを使う理由は「知り合いからのメールが届いたかどうかを確認すること」であると思いますが、開発者自身が掲示板やメーリングリストにメールアドレスを掲載していたせいで、毎日4〜10通ものSPAMメールが届くようになっているため、「着信通知があったので仕事を中断してメールを確認してみたらSPAMメールだった」ということが頻発していたのです。それで「すべてのメールを通知するメールチェッカでは、SPAMメールが多くなるほど、集中して仕事を行うことが困難」であると判断しました。知り合いからのメールであればまだ許せますが、自分の利益だけしか考えていないSPAMメールのせいで仕事を中断するというのは、誰でもすごく腹立たしいことであると思います。それで、開発者自身が必要に迫られたこともありますし、同じように困っている人も多いであろうと考えて開発を開始しました。
国内からのSPAMメールであれば、送り主の使用しているプロバイダなどに報告することで対処してくれますが、海外のプロバイダだと無視されるケースがほとんどです。それに、海外のスパマーは(国民性なのか)自分の利益しか考えていないから、踏み台メールサーバを利用して毎日とことんまでSPAMメールを送りつけてきます。
開発中に苦労した点
.NET Framework(C#)で開発したのですが、それまでJava言語でいろいろなアプリを開発した経験や.NET Frameworkで他のソフトウェア(MIDP Builder 2、DoJa Builder 2など)を開発した経験があるので、開発自体はほとんど問題なくできました。開発環境もJava言語よりもかなり使いやすいのですが、開発環境の不具合でGUIの設定内容(プロパティ)が何度も初期化されてしまったり、実行環境の不具合で実現できるはずの機能がうまく動かなかったりと、.NET Frameworkという新しい環境を選んだために予期しない問題に何度も直面したのが苦労した点です。おかげで、そのあたりのノウハウはかなり蓄積できましたが……。
それ以外では、Ver.1.2の時点ですでに受信専用のメーラ程度の機能を提供しているのですが、RFC(Request For Comments)定義に沿っていないメールへの対応にも苦労しました。RFCに沿っていないメールが意外にも多いので、対応する必要性が見つかるたびにマイナーバージョンアップをしています。
ユーザにお勧めする使い方
すべてのメールを非通知にして、その後に通知、削除フィルタの設定を行えば、必要なメールだけを通知させることができます。フィルタで削除しても、ログ機能を利用しておけばどのような内容のメールが来たのかがわかるので、気兼ねなく削除できます。
ウイルスメールに関しては、メールの件名などでほとんどわかるので、サーバ上のメール一覧を取得する機能を利用して、内容を確認してから削除できます。メールを受信しなくてもサーバ上から削除できるため、とても安全なのでお勧めです!
それ以外では、着信音を使用したり、アイコンをオリジナルのものに変更してみたりと、毎日長い時間使うソフトウェアであるのでカスタマイズしてみるのもおもしろいと思います。また、日ごろ使っているメーラを起動することもできるので、かなり便利に使えると思います。
海外ではアドレスのリストが売買されているようですし、スパマーがウイルスに感染してウイルスメールを送ってくることもあります(苦笑)。SPAMメールは今後も増え続けるでしょうから、フィルタをうまく使って仕事などに集中できるようにしてください!
今後のバージョンアップ予定
開発者自身がこのソフトウェアのヘビーユーザなのですが、現時点でほしいと思う機能はVer1.2で提供できましたので、今後のバージョンアップは不具合が出たときの修正がメインになる予定です。そのほかには、開発者自身、海外からのSPAMメールが多いので、「送り主にメールアドレスが存在しないことを知らせるエラーメールを返せる機能」がほしいかな、と考えています。ただ、海外からのSPAMメールはヘッダを改竄しているケースが多いので、仕様を練らないと難しいのですがね。
(スカイアーツ)