「TaskClip」は、タスクトレイに常駐し、タスクトレイアイコンのクリックまたはホットキーからすばやくクリップボード履歴を再利用できるソフト。テキスト形式のデータに対応し、最大36件の履歴を保持できる。保持した履歴は直接、ほかのアプリケーションに貼り付けることが可能。

タスクトレイアイコンの左クリックで、保持しているデータを一覧できるクリップボード履歴メニューを表示。ここから再利用したいものを選択すると、アクティブなウィンドウのカーソル位置にテキストが貼り付けられる。設定により、選択した履歴をクリップボードに戻すこともできる。

マウス操作のほかに、キーボードで操作を行うことも可能。あらかじめ登録したホットキーでクリップボード履歴メニューをマウスポインタ位置に表示させて、キャレットの位置に履歴を貼り付けることができるようになっている。

履歴として保持できる件数は最大36件。クリップボード履歴メニューでの表示順は、新しい順/古い順から選択できる。

もうひとつの特徴として、保持した履歴の中から「登録テキスト」を登録し、クリップボード履歴メニューとは別に、よく使う語句を貼り付けられる機能がある。登録はクリップボード履歴メニューでの履歴の選択時に【Shift】を押しながら、同様に【Shift】を押しながら登録テキストを選択することで解除と、簡単に登録・解除を行える。登録テキストにも最大36件までのデータを登録できる。

「TaskClip」では、一覧の呼び出しと貼り付けをマウスだけでなく、キーボードでも行える。初心者やマウスを使いこなしている人はタスクトレイ上から、上級者またはキーボードに慣れた人はホットキーから使うというように、人によって使いやすい方を選べる。マウスをまったく使わなくても「TaskClip」を操作できるので、特にタッチタイピングでテキストエディタを利用している筆者にとっては、ホームポジションから手が離れないホットキーが便利だと感じた。

保持する履歴数はユーザが設定できる（1〜36）が、最大36個まで設定できるので、「スタートアップ」に登録して、Windows起動と同時に「TaskClip」を常駐させておくと、実際に原稿執筆などでテキストエディタを頻繁に使う筆者の場合でも、だいたい使用中の履歴は全部残しておけた。

一般的な使い方でも、テキストエディタやワープロを使っていて、ふと前にコピーやカット＆ペーストしたテキストを使いたい、と思うことは意外に多いのではないだろうか。それほど頻繁に起きることではないが、いわば「いざというときの保険」として、使用中のほぼ全部のクリップボード履歴が残っているというのは、安心感につながる。

使い勝手もよいので、この手のクリップボード拡張ソフトを初めて使う人から、普段からテキストエディタを使いこなしている上級者まで、誰にでもお勧めできるソフトだ。

開発中に苦労した点
開発作業は少しずつできあがっていく工程が楽しくてしょうがなかったので、苦労したという感じはあまりありません。自分でいろいろ調べながら作りました。ユーザさまのリクエストやアドバイスにより、予定していたのよりもいい出来になりました。この場を借りてお礼を言わせていただきます。

あと苦労というか、テスト段階で動作確認できる環境が少ない（Windows 2000/98SE）ので、ほかのOSでもちゃんと動くのか？　という点が心配でした。というか、いまでもWindows Meでの動作テストは行えていないんですよね。どなたかご協力お願いします。

ユーザにお勧めする使い方
スタートアップに登録しておいて、ホットキーで呼び出して選択。これですな。キーボードから手を離さずに迅速に使えるように作ったつもりです。

今後のバージョンアップ予定
現状で予定していた機能＋αは実装済みです。機能を追加し過ぎても本来のコンセプトから外れてしまうので、バグ修正以外でのバージョンアップはあまり考えていません。気が向いたら履歴を編集するためのサブアプリケーションを作るかもしれませんが、まだ未定です。