「Net Fish 顔文字クリッパー」は、顔文字やアスキーアートなどのいわゆるお遊び系テキストの貼り付けを行う「FaceClip」ウィンドウと、日付等の挿入や現在選択されているテキストの文字変換を行う「FaceClipTOOL」バーから構成されるクリップボード拡張ソフト。登録されたデータをコピー＆ペーストできるだけでなく、ひらがなからカタカナへの変換といったちょっとした文字変換機能も手軽に行える。収録されたデータは、顔文字以外にもシグネチャやHTMLタグ、アスキーアート（文字を組み合わせて描いた絵）など多種多様。データは、ジャンル別にテキストファイル形式で保存されるので、カスタマイズが容易である。

顔文字やアスキーアートの貼り付けは、FaceClipウィンドウで行う。FaceClipウィンドウは、選択したジャンルの顔文字一覧を表示する左画面と、自動変換機能（後述）の結果を表示したりテキストに付加するHTMLタグを設定できる右画面で構成される。左画面上部のコンボボックスから「あいづち」「アセリ」「イカリ」などのジャンルを選び、使用したい顔文字をクリックすれば、選んだ顔文字がクリップボードに転送されるので、あとは好きな場所へ貼り付ければよい。わざわざペーストするのが面倒だという人のために、コピーしたい文字をクリックするだけで、直前にアクティブだったウィンドウへ貼り付ける「自動貼付」機能も搭載している。

ビューア表示される自動変換機能とは、クリップボード内のテキストや、「顔文字クリッパー」にドラッグ＆ドロップされたテキストファイルを、辞書データをもとに文字列変換を行うもの。辞書データとして、あらかじめ用意された「顔文字変換」「死語変換」「機種依存」を使用できるほか、ユーザが作成することも可能だ。変換時に、半角カナ→全角カナ/全角英数→半角英数/ひらがな→カタカナ/カタカナ→ひらがな、などを行うこともできる。

選択→貼り付けという基本操作がきわめてシンプルなのに比べると、カスタマイズの方はややわかりにくい感じがしなくもない。「顔文字クリッパー」自身のコンパクトなウィンドウ上にいろいろな機能をレイアウトするため、画面の切り替えなどで操作がやや複雑化しているように思われた。カスタマイズツールを本体から独立させて大きなウィンドウで作業できるようにするといった感じでレイアウトを整理すれば、ぐんと使いやすくなりそうだ。

顔文字を使いまくってチャットするような上級ユーザばかりでなく、タイピングにまだ慣れていないパソコン初心者にも役立ちそうなツールだけに、さらに簡単にカスタマイズできるようになってくれるとうれしい。

開発中に苦労した点

• 顔文字以外にでも活用できるようにプログラミングすること
• グラデーションの方法など
• マジカルクリッパー・アスキーアートめいか〜の連携

今後のバージョンアップ予定
プログラムランチャ機能や、IME辞書作成機能の追加など。また、動作がまだぎこちない点を改善したいと考えています。ユーザ側に立った使いやすさを目指します。辞書は随時、バージョンアップしていきます。