「KeyPointer」は、キーボードから手を離すことなく、マウス操作を行えるようにしてくれるユーティリティ。タスクトレイに常駐し、ホットキーで有効/無効を切り替えて使用する。ポインタ移動の加速や減速、機能拡張による斜め方向への移動、範囲指定、ダブルクリックなども可能だ。

ポインタの移動などは、「KeyPointer」をホットキーで「活性状態」（有効な状態）にしたのち、各操作に割り当てられたキーを押すことで行える。初期状態では、【I】：ポインタ上移動、【K】：ポインタ下移動、スペース：左ボタン、などと設定されている。ポインタの移動は、左上、右下など8方向すべてにキーを割り当てることができる。さらに、ポインタ移動と同時に別の設定キーを使うことで、加速/減速/スクロールも行える。これらのキー設定はユーザが好みのものにカスタマイズすることが可能だ。

また、「拡張キー」機能を有効にすることで、左右のドラッグ、ダブルクリックも可能となり、マウスの基本的な操作のほとんどをキーボードで実現できるようになる。ただし、「KeyPointer」の活性状態では、設定されたキーは通常のキー入力には使用できなくなるため、設定キーを文字入力に使用する場合には、そのつど非活性状態に切り替える必要がある。

キーアサインは変更可能なのでユーザの自由に設定してもらえばよいのだが、デフォルトの設定はなかなか使いやすいと思う。カーソルキーにポインタ移動を割り当てるという手もあるが、カーソルキーは空けておいた方が何かと使い勝手はいいだろうと思う。

マウスでの操作をキーボードでやってしまうというのが本筋の使い方ではあるのだが、例えばグラフィックソフトで直線を引こうとするときにも、このソフトを使えば美しい直線が描ける。目的によってマウスと併用して使うのもよいだろう。

開発中に苦労した点
一番苦労したのはキーボードをフックしてポインタの動作に変換する部分でしょうか。必要ないときまでキーを乗っ取ってしまったり、逆に必要なときにちゃんとフックがかからなかったりして何度も頭をひねりながら修正していました。

今後のバージョンアップ予定
明らかにわかっている問題点として「Windows Meにてデスクトップがスクロールできてしまい、そうするとデスクトップが化ける」というものがあり、これに対する修正はできるだけ早く行いたいと思います。機能追加に関しては現行のソースを整理しつつ、のんびりやっていきたいと思っています。