「Styx」は、ランチャを中心に、時計、メモリメータ、プロセスメータ、ドライブの状態を表示するドライブメータなどの多彩な機能を搭載したデスクトップユーティリティ。機能は豊富だが、すっきりとしたデザインで、操作しやすい。

ランチャはボタン型で、アイテムの登録はボタンへのドラッグ＆ドロップで行える。ボタンには個々のアイテムを登録するための「通常ボタン」のほかに、グループを登録するための「階層ボタン」が用意されており、アイテムの階層管理ができる。階層ボタンをクリックすると別のボタン群が表示され、サブメニューのように階層的な呼び出しができるようになっている。登録できるボタンや階層の数に制限はなく、メモリが許す限り登録することが可能だ。プロパティ設定より、ボタンに表示するアイコンは自由に変更できる。

メイン画面には、ランチャのボタンをはじめとして、時計、日付表示などの各機能が並び、好みで表示/非表示を切り替えられる。ノートパソコンで使用する場合には、バッテリの残り容量を示すバッテリメータ機能も利用できる。

特徴的な機能として「ツールボックス」「なんでもドラッグ＆ドロップ」の二つがある。「ツールボックス」は、ボタンクリックだけで、デスクトップ上のウィンドウをすべて最小化したり、復元したり、カスケードやタイルなど好みの状態で整列させたり、縦・横方向に伸ばしたりすることができる機能。「なんでもドラッグ＆ドロップ」は、任意のファイルをドロップすることで、自動的にそのファイルに関連付けされたアプリケーションを起動するボタン。ファイルの種類を考えずに操作を行うことが可能だ。

さらに「ミニファイラー」と呼ばれる専用のファイラ機能も備わっている。DOS用の「FD」などのファイラの雰囲気を色濃く残すプログラムだが、複数のウィンドウ同士でドラッグ＆ドロップができるなど、便利に使える。

プログラムの機能説明が長くなっていることからもわかるように、「Styx」の場合、この「圧倒的な使いやすさ」を高機能に求めているようだ。実際、「Styx」の機能は、単なるランチャにとどまらない、むしろディスクユーティリティやパソコンの環境整備ユーティリティのような機能まで備えており、これひとつでさまざまなソフトの代わりになる。

こうした「Styx」における「ランチャ以外の機能」は、他のソフトを使っても実現できないわけではない。さらに言うなら、さすがにそれぞれの専用プログラムと比べられてしまうと、劣っている部分もあるかもしれない。とはいえ、こうした「あると便利」な機能が普段最もよく使うランチャの中に内蔵されているというのは、それだけで非常に大きな意味がある。それぞれ個別に専用プログラムを常駐させなくてもすむからだ。これは特にメモリ容量に余裕がない環境では意味があることだろう。つまり「Styx」は、便利な機能は利用したいができるだけ常駐プログラムの数を減らしたい、と考える人に最適のツール、ということがいえるのではないだろうか。

開発中に苦労した点
この手のデスクトップツールは個人の好みの差が大きく出るものです。その好みに合わせられるカスタマイズ性の高いものにする点に苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
（1）　やはり階層を利用したランチャ機能です。頻繁に使うものはメイン画面に登録し、時々使うものは階層の中に収めます。1,000個もの登録をしているユーザさんもいらっしゃいます。私はせいぜい50個程度です。
（2）　キーボード派にお勧めの、ショートカットキー機能を利用した一発起動。
（3）　時計のビットマップを変更したり、画面の背景にグラデーションをつけるなどデスクトップを華やかに演出します。

今後のバージョンアップ予定
最近、XPを使いはじめていますので、何かおもしろい使い方ができないものかと模索しています。

どうでもいいこと
「Styx」とは三途の川という意味ですが、私が高校生のときに好きだったアメリカのロックバンドの名前です。