実は、以前に同様のカロリー計算ソフトを使い、半年間で約12kgのダイエットに成功したことがある。毎月2kgというゆっくりしたペースで減量したためか、その後約1年半にわたってほぼ同じ体重を維持している。そのときの経験も含めていうと、栄養学に詳しくない人(もっと簡単にいえば、ふだん料理はしないけれどカロリー摂取量は気になるといった人)がこの種のソフトを使う場合、用意されたリストに食材以外にどれだけ多くの献立が載っているかが使い勝手を大きく左右する。
いくら食材データが豊富でも、実際に食べる「料理」が載っていなければ、食事のたびに毎回使われていた材料と分量を思い出しながら登録していくしかない。これが結構、手間のかかる作業で、忙しいとつい忘れてしまうのだ。
ところが、実際には膨大な料理を網羅するわけにもいかないので、あらかじめ登録されているメニューは限られたものになりがちだ。それを補うため、ユーザが独自にメニューを追加できるようになっているのだが、これもあらかじめ詳しいレシピを作っておかないと、頭の中だけでやっていたのでは大変だろう。
「ちゃちゃっとカロリー計算」で惜しいなと思うのは、この「ユーザー食品」の登録の部分だ。追加コマンドではカロリーや各栄養素の量を入力できるのだが、どれくらいの値かすぐにわかる人はそういないだろう。値を登録せずに(ゼロのまま)使うこともできるが、それではこのソフトを使う意味がない。
その一方で、レシピ管理機能では材料と分量を登録していけば自動算出してくれるのだから、これをそのまま「ユーザー食品」として使えれば使い勝手は格段にアップするはずだ。また食材自体の数ももう少し充実させてほしい。数が増えてきたら、文字列検索機能もほしいところだ。
なお、データの登録や編集で右クリックを使う機会が多いので、ヘルプを読まずにいきなり使うと、ちょっととまどうかもしれない。
(福住 護)