「COOL2」は、デスクトップのダンサーがキー入力に反応して踊るユニークなデスクトップマスコット。起動するとデスクトップに常駐し、金髪アフロのダンサーがユーザのキー入力に対応したダンスアクションを見せてくれる。

【A】から【Z】の文字キー、および【Enter】、スペースの各キーにそれぞれダンスアクション（足のステップや手の動き、ジャンプ、ターン、宙返りなどの動き）が設定されている。踊るのは、金髪アフロヘアにサングラス、ぴちぴちシャツの前をはだけてマンボズボンを履いた黒人ダンサー。打ち込まれたキーの組み合わせによって、多種多様なダンスを繰り広げる。といっても、ダンサーのキャラクタ通り、ブレイクダンスのようなストリート系のものではなく、ゴーゴーやモンキーダンスなど、'70年代から'80年代にフィーバーしていた、アノ時代の懐かしダンスが中心だ。

ダンサーが踊る「ステージ」つまり背景の画像は、きらびやかなダンスフロアの「ディスコ」、暗い宇宙に小さな星が瞬く「宇宙」、水色のフロアで頭上には水玉（？）が浮かぶ「水」、バックにコーラス隊が登場する「'70s」の4種類から選択できる。ステージのデザインも、「ディスコ」ではダンサーの上にあるミラーボールが、「宇宙」では土星に変わるなど、細かい点にもこだわりがあり、楽しい。

それはともかく、こちらを向いていかにも楽しそうに踊るダンサーを見ていると、タイピングでダンサーと共演しているような錯覚に陥って、ばかばかしいけれど何となく浮かれてきそうになるから不思議だ。

脱力ソフトともいえるが、ダンサーを見ながらタイピングすることで、キーボードを見ずにタイプしてしまい、タッチタイプがマスターできるという、意外な効用もあるかもしれない。

ゲームの雰囲気については、ダンサーのキャラ、踊るステージ、ダンスのスタイル、どれをとっても'70年代ムード満点。名前は「クール」だけど、カッコいいというよりダサめなのが、逆にナイスなのだ。この種のソフトは全員にバッチリはまるということはないだろうが、昭和30〜40年生まれくらいの世代には、何とも言えない懐かしさと脱力感を与えてくれるはずだ。

ダンサーのキャラも、ずっと見ていると東南アジアのバンドマンとか、昔のバーテンみたいにも見えてきて、小さな画面いっぱいに暴れ回る姿を眺めるうちに、変なペットを飼ってるような気分にもなる。これは、大きすぎないウィンドウサイズも貢献しているのだろう。出しゃばらず邪魔にならないが、思いっきり目立っている、このバランス感覚がいいのだ。

ちょっと落ち込んだ気持ちのときに起動してひとしきり楽しむだけでも、意外に気分転換になるのではないか。また、仕事などで単純なタイピングを続けなければならないときでも、ちょっと気晴らしをしながら打ち込みができるかもしれない。秘密のダンスをさせる「スペシャルキーワード」は全部で8種類あるということなので、全部見つけ出してみるのも楽しいだろう。

開発中に苦労した点
絵の数が多かったことです。「COOL2」は【A】〜【Z】、【Enter】、スペースに反応させるため、28種類の動作が必要です。そして、ひとつの動作につき、平均して4枚くらい絵が必要となります。というわけで、100枚以上の絵を描きました。描いた絵も動かしてみると、動作が不自然で書き足したり、逆に消した絵もありました。

ユーザにお勧めする使い方
メールを打つときのおともに、掲示板などの書き込みのおともに使用してください。スペシャルワードを探して、派手な動きを堪能していただくのも一興です。

今後のバージョンアップ予定
「COOL2」自体のバージョンアップは考えておりませんが、「COOL」をシリーズとして展開していきたいと考えています。「COOL2」は井ノ中かへるとPOPOの2人組「チームかものはし」で作りました。興味のある方は以下のホームページで「かものはし」の動向をたまにチェックしてみてください。
http://www.yo.rim.or.jp/~kaheru/top.html