「つるちゃんのプラネタリウム」は、パソコン画面上でプラネタリウムを実現するソフト。簡単に天文シミュレーションを楽しむことが可能で、基本的な操作は、日時と観測地、表示図法と表示方向などを指定すればよい。いずれのオプションも非常に細かな設定を行うことが可能だ。MDI形式のウィンドウを採用しており、選択したメニュー項目に合わせて適宜ウィンドウが表示される。

表示日時は、現在の日時はもちろん、太古やはるか未来の年代まで指定することが可能だ。指定した日時における固定表示のほか、時間経過に応じて画面が自動更新されるシミュレーション表示も行える。シミュレーション表示の場合には、前後へ移動する日時の間隔や重ね合わせ表示のON/OFFも指定できる。観測位置は、日本国内各地のほか、海外も主要都市であれば、都市名で指定できる。緯度経度で指定することも可能だ。さらに地球上だけではなく、水星・金星など、他の惑星から見た図も表示できる。

表示図法は大きく6種類から選択することが可能で、星座早見盤でよく使われる全球プラネタリウム表示のほか、見た目の形に近い半球プラネタリウム、全体表示、星図形式、地平線方向、天頂方向図で表示できる。星図形式では、特定の星座を中心とした表示や、指定した惑星を中心とした表示など、中心座標を自由に設定することが可能だ。

天球図上に表示される項目も豊富で、恒星/惑星名や星座名、星座絵、さらには天の川や基準線などまで表示することができる。どの項目を表示するのかをユーザが自由に設定できるため、詳細な説明入りの図から、実際に見た目の夜空のイメージに近い図まで、さまざまな画像が得られる。

TVなどの報道ぶりでもわかるように、こうした「天体ショウ」が見られると、普段は星のことなどまったく気にもかけていないような人たちが一斉に夜空を見上げるといったことになる。言葉は悪いが、実はこうした「にわか天文ファン」というのはかなり多いのだな、と変なところで実感させられる。

しかし、流星群のようなわかりやすい現象ならともかくとして、普通の人にとっては、普段見えているはずの星座がどうなっているか、などは、よほどの天文ファンでない限りはそうそうわからないものだ。例えば、今日の夜9時ごろ、南の空には何の星座が見えているか？　などといきなり聞かれて正しく答えられる人は、そうはいないだろう。

だが、「つるちゃんのプラネタリウム」を使えば、そんなことは一瞬でわかってしまう。それどころか、例えば火星からだとどんな星空が見えるのか、など、現時点では世界中の誰一人として現実に見ることができない星空さえわかってしまうのだ。実際の星空とパソコンの上の表示という差はあるものの、これはちょっとした天体ショウではないか。

現実の天体ショウは、ごく限られた期間しか見ることができない。大きなイベントは、よくて「何十年に一度」、下手をすると100年に一度といった、一生のうちに一度見られたらラッキーといったことも少なくない。だが、「つるちゃんのプラネタリウム」ならば、そうしたイベントであっても、パソコンの画面の中という制限はあるものの、いつでも何度でも見ることができる。これはなかなかすばらしいことではないか。

プログラミング言語の習得、星のデータ集めのための英語マニュアルの解読、データのパンチ入力、そしてプログラムのエラー潰しと、気の遠くなるような作業の連続でした。まじめに考えると、「よくまあこんなアホらしいことを社会人しながら一人でやってるなあ」と思いますね。今後ですか？　この大変さを考えると……。はてさて、どうなることやら？

このソフトは、使い勝手はともかく、星空に関して必要な機能はだいたい盛り込みました。今回追加したのは次の機能です。