「KG-Chart for Cross Stitch」は、シンプルなペイントソフトをベースに、クロスステッチの図案作成に必要なさまざまな機能を搭載したソフト。メッシュおよびマークを表示可能な編集画面に、描画ツールを使って1ステッチずつ描画できる。描画ツールにはペン、スポイト、消しゴムのほか、塗りつぶし、四角/楕円塗りつぶしなどが用意され、まさにお絵描き感覚で図案作成することが可能だ。布の種類はアイーダ/リネンから選択することができ、刺繍目ひと目に対する布目数の設定などもできる。バックステッチを描画することも可能だ。画面モードを「リアル表示」にすれば、実際にクロスステッチを行っているような間隔で、図案作成できる。

描画色は、市販の糸に合わせてカラーパレットから選択できる。カラーパレットはDMCとDanish Flower Threadの2種類が用意され、作成時にどちらかを選ぶ。いずれのパレットにも色番号が表記されており、実際にクロスステッチを行う際の糸の入手にも配慮されている。布地の色となる背景色も「白」「生成り」「未漂白」などの標準色8色のほか、DMCカラーでも設定することができる。

作成した図案を保存しておけば、作成済みの図案をもとに、別の図案を起こすのも簡単。もちろん印刷機能もあり、市販の方眼紙やクロスステッチ用の専用グラフィックペーパーなら、あとから変更できない升目の大きさも、1mmから4mmの間で自由に指定することができる。印刷可能な用紙はA4縦・横のほか、LetterサイズやB4、A3縦・横などに対応する。

最大の魅力は、DMCやDanish Flower Threadカラー仕様のカラーパレットだ。特にナチュラルな風合いが楽しめる花糸対応はうれしい。図案を描きながら、表示方法を変えて、仕上がりイメージを簡単に楽しめるのも魅力だ。操作性もすこぶるよく、Windows付属のペイントを触ったことがある人なら、インストール後、すぐに使えるだろう。3,500円というシェアウェア登録料も、とかくムダにしがち（？）な方眼紙やグラフィックペーパーを思えば安いかも……。クロスステッチが趣味の人にはもちろん、いまからやろうと思っている人にもお勧めだ。

開発中に苦労した点
ドットの編集とベクトル図形の編集を重ね合わせるのに苦労しました。また、このような図形編集ソフトは、他のペイント/ドローソフトと同じレベルの操作性を求められるで、その実現に苦労しています。

開発上の特徴
独自開発のフレームワークを使用していますので、少し趣の異なる外見を実現しています。

今後のバージョンアップ予定
今後は各種ステッチ対応とバックステッチ編集機能の充実、ビーズ織りやハーダンガー刺繍等に対応できればと思っています。