「ES 麻雀」は、純粋に麻雀を楽しみたい人向けの本格的な四人打ち麻雀ソフト。グラフィックはすっきりとして美しく、場の状況を把握しやすい。打牌はすべてマウスで行える。自順でリーチやアンカンなどをする際は、右クリックでメニューを表示して操作するが、ポンやチーなど、鳴くことが可能な牌が出たときには、自動的にメニューが表示される。これらの操作は非常に自然で、プレイ中にほかの操作で遮断されることなく、純粋に麻雀を楽しめるようになっている。

役に関する設定が細かく行えることが最大の特徴で、「ルール設定」ではすべての役に対して翻数（0ならばその役は不採用）が設定できる。役満についても、採用/不採用やダブル役満などの設定が可能だ。そのほか、配給原点や連荘、ダブロンやトリプルロン、数え役満の翻数、場ゾロ、ドボン（ハコ下）/フリテンリーチ/喰いタン/役満の複合の有無などに関しても設定できる。

また、「コンフィグ」ではBGM（2種類）のON/OFF、効果音の設定、背景色の変更、ゲームスピードの変更、二〜四人打ち（コンピュータの人数が変化）の設定が可能だ。二人打ち、三人打ちの場合は、半荘や点数計算、風牌などの設定が違うルールでのプレイとなる。

多くの麻雀ゲームのように、CPUが最初から手を完成させてあって、あとはタイミングを見計らってアガるだけ、というようなイカサマを使用せず、ヒラできちんと打ってくれるのもうれしい。CPUの打ち筋は素直で読みやすいので、これから初めて麻雀を覚えようという初心者の練習相手としても最適だろう。ヘルプの後半に「初心者のための麻雀講座」という項目があって、麻雀の基本をわかりやすく説明してくれているのもうれしい。

二人打ち、三人打ちができるのもめずらしくて、おもしろい。ただ、サンマ（三人麻雀）には通常、独自のルールが適用されるのだが、これに対応していないのは少し残念。役も大車輪、小車輪などローカル気味なものも用意してあると、よりおもしろくなるだろう。ゲーム中の操作が簡単で打ちやすいのに、点数計算の画面の表示の切り替えが細かすぎて、何回もクリックしなくてはいけないのだけは、ちょっと面倒に感じた。

なお、この「ES 麻雀」の開発は終了し、作者はすでに後継の麻雀ゲームの開発にあたっているとのこと。楽しみにして待ちたい。

開発中に苦労した点
最初期のバージョンはあっという間にできあがったのですが、その後多数発見されたバグを修正するのに苦労しました。何の設計もなしに作ってしまったので、このようなことになってしまったのだろうと思います。

ユーザにお勧めする使い方
麻雀を楽しんでいただければそれでいいです。あえて言うならば、実戦のための練習として利用できるかもしれません。このゲームではチョンボもないので、初心者の方には特に練習用として活用できるソフトだと思います。また、細かなルール設定と特徴としていますので、この点でも楽しんでいただけるでしょう。本来、マイナーな地方ルールに対応するために付けた機能ですが、ともすれば、「役の翻数」設定などで、かなり違うゲームにすることもできます。

今後のバージョンアップ予定

「ES 麻雀」の開発はすでに終了しています。現在は次回作の麻雀ゲームを開発中です。「ES 麻雀」とは比較にならないくらいすばらしいゲームを目指していますので、楽しみにお待ちください。