「小倉百人一首（日本の遊びシリーズ）」は、百人一首かるたを使用する「ちらし取り」「源平合戦」「競技かるた」「坊主めくり」の4種類の遊び方が用意されたかるたゲーム。4種類のいずれもコンピュータとの1対1の対戦となる。このほかに学習モードがあり、百人一首の記憶にも利用できる。

「ちらし取り」は、家庭などで一般的に遊ばれている、いわゆるかるた取り。真ん中にちらして並べられた100枚の取札の中から、読まれた札を早くとる遊びだ。

「源平合戦」は、2チームに分かれて対戦する遊びで、各チーム25枚ずつの取札を持ってはじめる。読まれた札を取り合い、早くチームの取札がなくなった方が勝ちとなる。

「競技かるた」は毎年、全国で大会が行われる本格的な競技。場に置かれた自陣25枚＋相手陣25枚の計50枚の札を取り合い、自陣の札を相手陣に送って、先に札がなくなった方が勝ちとなる。

以上の3種類の遊び方では、対戦相手を「初級」「中級」「上級」「公爵」「天皇」の5段階から選ぶことができ、自分のレベルに合わせて楽しめる。

「坊主めくり」は、和歌とはまったく関係なく、札に描かれた人物の絵柄を使って遊ぶもの。裏返しにされた札を順番にめくっていき、坊主をめくると持ち札をすべてを場に出すというルールで、最終的に持ち札が多い人が勝ちとなる。

このほかに「和歌の暗記」という学習モードがある。それぞれの和歌ごとに大意、作者、出典、決まり字が表示される。「歌番順」「三択」「七文字」「決まり字」といったテスト問題も用意されており、和歌を覚えるのに便利だ。

筆者にとって、百人一首は学生時代に宿題で暗記させられた（それもさぼって覚えなかった）だけで、それ以来まったく縁がなく、どうかなと思ったのだが、実際にやってみるとこれが結構楽しい。「ちらし取り」「源平合戦」ともに下の句まで読まれるので、和歌をまったく覚えていなくてもコンピュータのレベルを初級にすれば十分楽しむことができる。宿題で暗記させられたときには苦痛でしかなかった和歌も、何回も遊んでいるうちに少しずつ頭に残るから不思議だ。

さすがに「競技かるた」は、上の句しか読まれないため百人一首をある程度は記憶していないと遊ぶことができないが、腕が上がったらぜひチャレンジしてみたい。

学習モードもあって、和歌に興味を持ったらその意味などを覚えることもできる。楽しみながら無理なく覚えられるので、「百人一首」の教材として非常に優れているのではないだろうか。

「坊主めくり」のように和歌と関係ない遊びがあって、気分転換できるのもうれしい。これも実は初めてやったのだが、めくる札によってめまぐるしく状況が変化するので、なかなかスリルがあって楽しいものだ。

開発中に苦労した点は、やはり日本の伝統的で優美な雰囲気を出すとこでした。何度も何度も試行錯誤を繰り返し、納得いただけるものができたと自負しております。また、「競技歌留多」では対戦相手のAI部分の作成も大変困難なものでした。

お勧めとしましては、学習モードでしょう。小学校、中学校の学習用にもってこいではないでしょうか、特に3択クイズは、楽しく学んでいただけると思います。学習モードでは、過去の成績を集計し、暗記をする上で最も効率のよい出題をするようになっております。また、小さなお子様には「坊主めくり」がお勧めです。簡単なルールで楽しく遊んでいただけると思います。

今後の予定としましては、「日本の遊びシリーズ」の第3弾を年内中に発売する予定でおります。内容につきましては、まだ秘密です。お楽しみということでお願いいたします。次回も力いっぱい頑張って仕上げますので、よろしくお願いいたします。