宝永噴煙録の時代背景は、富士山噴火の被害で昼でも暗い日々が続いた宝永4年。プレイヤーは生き延びるために先に5人の敵を倒さなければならない。多人数でプレイするゲームだが、チームといった概念は一切なく、ただひたすら「いかにして自分ひとりが生き残れるか」「最終的にゲームの勝者となれるか」を考えてプレイすればよい。自分に有利と思えば、他のユーザと協力し合って戦う、物陰に隠れて待ち伏せるなど、「何でもあり」だ。

殺伐とした緊張感をよく表現した暗めのプレイ画面には、表情機能付きのチャットウィンドウが設けられている。仲間を増やす、裏切るといったことに使えるのはもちろん、表情を通して喜怒哀楽の感情を他のプレイヤーに伝えることも可能だ。

この仮想空間内でプレイヤーが選択できる職業は忍者、武士、武者の3種類。それぞれ武器やすばやさなどに特徴がある。武器として刀と飛び道具を使うことができ、刀は「縦斬り」「横斬り」「突き」の3種類の攻撃パターンが、また飛び道具は（職業によって異なるが）「通常」「爆発」「灯火」の3種類が用意されている。

マップは「屋敷」「山村」の2種類が用意されている。少人数のときは比較的狭く、迷路状で死角が多い「屋敷」、大勢のときは起伏に富んだ広いマップの「山村」と、プレイ人数に合わせて選択できる。このほか、シングルプレイ専用マップとして「稽古場」が用意されており、武器の操作や間合いはここで覚えられる。360度回転するマップは非常にリアルで、効果音も臨場感を出している。

「通常」「喜」「怒」「哀」「楽」の5種類の表情によって、他のユーザとのコミュニケーションを図り、チャットによって同盟をもちかけたりできる点もおもしろい。コミュニケーションの最中にいきなり斬りかかられたり、同盟を結んだはずが裏切られたりする可能性もあり、ゲームのコンセプトに非常にマッチしている。Ver 0.9で追加される職業に「忍者（罠）」というのがあり、トラップを設置できるらしいのも期待が持てる。

「食糧」と「体力」という要素があり、無駄な行動をすると体力をいたずらに消耗し、空腹だと体力を回復できず、戦いのときに不利となるというのもおもしろい。ただ、現在β版ということもあり暫定的なものかもしれないが、敵を倒したときに得られるものが金銭のみで、敵の食糧を奪うことができないというのは残念に感じた。

いずれにしても、非常に雰囲気があり、一緒にプレイする仲間さえ集まればいろいろな楽しみ方のできる、プレイヤー自身の想像力の余地が非常に大きなおもしろいゲームだ。今後のさらなる完成と、プレイヤー数の拡大を期待したい。

開発中に苦労した点
開発中に苦労した点といえば、とにかくネットワークという技術もアクションという分野も初めての試みでしたので、まずどうすればよいのかという基本的なところに引っかかりました。ネットや本で調べたり、サンプルを解析などしてどうにか動く状態にできました。

ユーザにお勧めする使い方
遠距離戦が熱いです！　刀もいいですけど、是非遠距離戦の楽しさを実感してもらいたいです！

今後のバージョンアップ予定
現在のバージョンは、まだまだ自分たちの真の理想には達してません。今後といたしましては、 AIキャラを追加したシングルプレイとマルチプレイを統合させるカタチにしようと考えております。シングルモードでお金や食料を得、お店で弾薬等を買えるようにします。現在持っている弾薬、お金、食料は、マルチプレイ時にも適用されます。相手にやられると、お金や食料がばらまかれ、敵に奪われていってしまいます。しかし、厳しさだけを目立たせたわけではありません。食料、お金はお互いに渡しあい、助け合うこともできるのです。そのような感じにしようと考えております。