──今日はキャラメッセージの生みの親であるクリプトワンソフトのITさんに来ていただいております。早速ですがキャラメッセージはどんなソフトなのかを教えてください。IT:キャラメッセージは次世代コミュニケーションツールです。これまでの電子メール、インスタントメッセンジャーでは不可能だった「送信者の感情」を相手に送ることができます。メッセージを送ると相手のデスクトップ上に送信者が使用しているキャラクタが登場し、さらに送信者が決めた動作、例えば「おめでとう」という動作をさせることが可能です。
──なるほど。今までは絵文字で表現していた感情をキャラクタが持って行ってくれるということですね。では、なぜこのソフトが生まれたのかを教えてください。
IT:弊社はもともと本社と開発部が離れたところに立地しておりまして、連絡を取る際に開発部に担当がいるかどうかを確認する必要がありました。当然内線ではないので、通信費用のこともありますし、手軽に連絡がとりにくいということで……(笑)。そこで、相手のステータスがわかるソフトを作ろうと……。
──ということはグループウェアとして開発されたということですか?
IT:そうです。現在のキャラメッセージはステータスチェンジで好きなステータスを入力できますが、UA(キャラメッセージの開発コードネーム)は、ポップアップメニューでステータスを選ぶような方式でした。「帰宅」とか「外出」とか……。
──まさに必要に迫られて開発したと。
IT:そういうことです。それで使っているうちに相手のステータスがわかって、しかもOnNetならわざわざ電話しなくてもメールを送ればいいじゃないかという話になりまして、さらにメールソフトを起動するよりもこのソフトでメッセージが送れればなおよいと……。基本的に弊社の開発部の社員は凝り性な人間が多いので(笑)、チャットをつけようとかメッセージはフォントを選べると楽しいぞとか……。そのうちメッセージをデスクトップで動かすようになったわけです。
──デスクトップで動かす?
IT:ええ。自分だけの動きを作成して、メッセージが届いた瞬間、誰から届いたかわかるような。それでどうせ動くのならキャラクタを動かしてみようという話になりました。そこでプロトタイプを作ったんです。
──それがキャラメッセージになったんですね?
IT:はい。ただキャラクタといっても現在みたいにデザイナーさんにやっていただいてるわけではなかったので、よくわからないキャラクタを自分で作ってアニメさせてましたね。ただ社員には大うけでした。ん? これはいけるぞと(笑)。そこでデザイナーさんにお手伝いいただいてキャラクタを作っていただきました。ウィンドウのデザインもそのときにお願いしましたね。
──開発で苦労した点を教えてください。
IT:弊社が携わったソフトウェアってそれまでユーザさんは一般の方ではなく、企業しかなく、ある程度の知識を持った方用のソフトウェアだったわけです。でもキャラメッセージのコンセプトとして誰でも使いやすいソフトっていうのがありましたので、特に初心者のユーザさんが何がわかって、何がわからないのかを明確にするのに苦労しました。例えばクリックといえばマウスのボタンを一回押すというのは当たり前のことのように思えますが、初心者の方にとってはマウス自体がよくわからないと。ソフトの開発ももちろんなんですが、それ以外ではこれが一番きつかったですね。
──キャラメッセージの売り文句の一つに最短クリックの追求というのがありますね。
IT:そうです。弊社ではユーザインタフェース向上ミーティングを定期的に開き、現状のキャラメッセージが抱える、使いにくさ、どうすればもっと使いやすくなるのかを話し合っています。その結果β3 SP4ではかなり改善されたと思います。しかし、大きく変えすぎるとこれまで使っていただいていたユーザさんが移行しづらくなるという問題もありますから、その部分のトレードオフには苦労しました。先ほども言いましたが、弊社には凝り性の社員が多いので機能ばっかり増えてしまい、逆に初心者の方にとっつきにくいソフトになりつつあるかなと(笑)。
──基本的にはインストール後のデフォルト設定での使用には問題ないんですよね?
IT:そうです。インストールしてどんどん使っていただいて、慣れたころに「あ、こんな機能あったんだ」というのがいいですね。エージェントをゴミ箱にするなんて使っている人いるのかな?(笑) 私は便利なので使ってますが。お勧めですよ!
──お勧めといえば、キャラメッセージのお勧めの使い方を教えてください。
IT:先ほども言いましたように、このソフトはグループウェアとして開発されました。逆にグループに所属することで非常に楽しめると思います。最初は学校の研究室や会社の部門、また友人のグループを作成することをお勧めします。ICQと違って管理人方式ですので誰か代表者がサーバに登録すれば、グループの人はキャラメッセージをインストールするだけで設定なしにグループに所属することができます。まあ、ユーザ登録とユーザ設定は必要ですが…慣れてきた後に、一般の開かれたグループに所属するといろんな人と出会えて楽しいですよ。これはキャラメッセージのホームページのグループメンバー募集掲示板を見ていただくとわかります。あと、相手のステータスが確認できるという点では会社、学校などのグループでの使用がお勧めですね。
──今後のバージョンアップの予定などはありますか?
IT:はい。β3 SP4をリリース後、β4の開発を開始します。スキンに対応したり、キャラクタを何体も管理できたり……。あとは秘密です(笑)。とにかくもっと使いやすく、もっと便利にというのが弊社のキャラメッセージに対する理念ですね。ユーザさんから正式版はいつリリースされるのかという問い合わせが結構あるんですが、弊社としてもいろいろなキャラメッセージコンテンツの作成を通して技術的なノウハウを積み重ねている段階ですし、フリーソフトであるという性格上、いついつにリリースします! という答えは出しにくいです。β版といっても弊社ではほぼ正式版として扱っておりますし、サポートも行っております。安心してご使用ください。
──いろいろな質問にお答えいただきありがとうございました。最後にこの記事を読んでいる方に一言お願いします。
IT:大阪のおもしろい人間が集まって作った会社がリリースしてるソフトなので、遊びの要素はかなり盛り込んであります。ぜひインストールして使ってください! よろしくお願いします!
((有)クリプトワンソフト)