ベクターソフトニュース - 2000.05.17 |
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Pixia Ver.1.3d
レイヤなどもサポートする“ユーザ主導型”の高機能グラフィックソフト ■Windows 2000/98/95/NT ■フリーソフト |
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Pixiaは、さまざまな筆先や画材を駆使して絵を描いてゆくペイントソフトがベースのソフトだが、色調整や画像フィルタなども豊富で、フォトレタッチソフトとしての側面も持つ。そのいずれにおいても機能は強力で、ユーザインタフェースもよく練られている。編集ウィンドウに加え、4枚のパネルウィンドウからなるメイン画面は、ツールボタンなどもカラフルで視認性がよく、わかりやすい構成だ。 ペン先の選択、色の選択など、頻繁に使用するツール群は「オプションパネル」「カラーパネル」など、この4枚のパネルウィンドウにまとめられており、メイン画面の右端、左端に配置できるほか、フローティングさせることも可能だ。例えば、このうちのオプションパネルでは、ペン/ブラシの形状とサイズを選択できるが、使用したいものをマウスでドラッグするだけという容易さで、スピーディに操作できる。 充実したレイヤ機能を持つのもPixiaの大きな特徴。レイヤもパネルウィンドウの中に「レイヤパネル」として用意されている。レイヤは高度な機能ではあるが、操作方法は比較的わかりやすく作られており、レイヤごとの表示・非表示の切り替えなども簡単に行える。合成方法として6種類があり、レイヤの概念がわかっている人であればすぐに活用することができる。 Undoは最大で100レベルまで行える。ツールバーやメニューからUndoを指定すると、縮小画像が表示されて、どのレベルまで復元するかを実際に確認しながら操作を溯ることができる。何レベルまでの操作を記録するかは、別途指定できる。 そのほかでは、特に選択範囲の表示がわかりやすい範囲指定機能が強力。範囲指定による描画マスクやレイヤ機能などを組み合わせれば、高度な描画にも十分に対応できる。また、フィルタは7パターン、計40種があり、キラキラシートエフェクトやスフィアモザイクなどの楽しい効果が用意されている。 ファイル形式は、Pixiaの標準形式であるPXAのほか、BMP/DIB、JPEG、PNG、TIFF、RGB(フジフィルムベタファイル)が扱える。Susie Plug-in に対応しており、Plug-inを組み込めば、その他の形式の読み込みも可能だ。 ●
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Pixiaは、すでにユーザグループなどもできているほど多くのユーザを持ち、インターネット上での情報交換も盛んに行われている。そのためか、細かい部分の使い勝手はなかなかよく考えられている。Windowsの標準的なツールバーを使わない、独自のユーザインタフェースを持つソフトは、多かれ少なかれ、使いはじめの際にはとまどいを感じさせるものだが、Pixiaの場合、そうしたとまどいは非常に少なかった。これはやはり多くのユーザに鍛えられた結果ということだろう。
ただ、多機能の代償として、レイヤを使用したときや、各描画操作を行ったときのUndoデータの保存などの際、多少のディスクアクセスが発生する。あまり多くの機能を使いすぎると、操作が重く感じられることもあるかもしれない。 とはいえ、これだけの機能を備えているフリーソフトというのはなかなか貴重だ。試してみて損はないソフトだ。まだ、発展途上にあり、配布アーカイブにはヘルプが含まれていない(作者のホームページ などに用意されている)など、一部に不備も見られるが、今後、整備が進んでゆくはずであり、大いに期待できる1本であることは間違いない。 (天野 司)
《スクリーンショット》 複数レベルのUndo機能では、縮小画像を見ながらどこまで戻るか確認できる 《スクリーンショット》 レイヤ設定のダイアログ。表示のON/OFFだけではなく、合成や透明度の設定も可能だ 《スクリーンショット》 強力な範囲指定機能。選択範囲外の表示がわかりやすく、また範囲も自由に移動できる 《スクリーンショット》 フィルタも豊富に用意されている。画面はスフィアモザイクを実行したところ 【作 者】 丸岡 勇夫 さん 【作者のホームページ】 http://www.tky.3web.ne.jp/~ikami/pixia |
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