Palmwareは市販製品と違って、開発途中で提供されることがあるため、ソフトが何か異常動作を起こしてシステムエラーとなり、Palmデバイスが停止してしまうこともある。このようにシステムエラーが起きると、電源のON/OFFでは正常な状態に戻らないので、リセットして再起動させなければならない。
リセットを行うにはリセットスイッチを押すだけでよい。「RESET」の刻印あるいは印刷した文字が本体背面のどこかにあり、この文字のそばの小さな穴を押すとリセットされる仕組みになっている。細い穴なので押しにくいが、このときにもスタイラスを使う。スタイラスのペン先、あるいはペンの上は回すと外すことができ、どちらかにごく細いピンがある。ここはリセットスイッチを押すために用意されているので、RESETの穴に合わせて押し込めば、リセットされる。なお、リセットの方法には軽度のときの「ソフトリセット」、重度のときの「ハードリセット」の2種類があるので、これをわけて説明しよう。
リセットスイッチを押すだけのリセットで、Palm OSが再起動し、環境設定画面に入る。この場合インストールしたPalmwareや各種データは消去されない。
パソコンユーザが考えるリセットとほぼ同じと考えていいだろう。
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「RESET」と書かれている所にスイッチ穴がある（写真は、VisorPrism）
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ソフトリセットをしても問題が解決されないときに行うリセットだ。ハードリセットをすると、ソフト環境は工場出荷状態、つまりPalmデバイスを買った直後の状態に戻ってしまう。しかし、次項にあるように一度でもHotSyncされていれば、その時点のPalmwareはバックアップされているので、後から簡単に復旧できる。
ハードリセットの方法は、ソフトリセットとちょっと異なる。まずリセットスイッチを押し込み、押したままの状態にし、電源ボタンも押す。この状態からリセットスイッチを放し、次に電源ボタンを放す。すると「データをすべて消去しますか？」という確認メッセージが表示される。消去する、つまりハードリセットするには、スクロールボタンの上を押す。するとPalm OSが再起動して、初期設定から作業が行われる。
Palmデバイスの評価が高い理由のひとつは、「いざ」という時の対策環境が構築されていること。ハードリセットをしなければならないときもあるし、持ち歩くデバイスだけにPalmを壊してしまうこともある。そんな場合でも、Palmを一度でもHotSyncしておけば安心だ。
というのもPalmwareのインストールの時に行ったHotSync作業では、インストール以外に、Palmwareなどの各ファイルをパソコン側にバックアップしているのだ。そのため、初めてのHotSyncはかなり時間がかかるが、以後はスムーズにバックアップが行われるようになる。
では、バックアップした情報をPalmデバイス側に戻すにはどうすればいいのだろうか？ 作業は簡単だ。Palmデバイスをクレードルにセットし、HotSyncすればいい。HotSyncを実行すると、パソコン側は新しいPalmデバイスとして認識し、ユーザ名の入力を求めてくる。このとき、ユーザ名の一覧の中には、これまで使っていた名前があるのでこれを選ぶ。すると、パソコン内部に記録されているバックアップ情報が、Palm側に送られる（これをリストアという）
Palmwareによってはデータのバックアップが取られておらず、完全にリストアできないこともある。しかし、Palmware本体はもちろん、住所録や予定表などのデータもリストアされるので、いざというときには安心だ。
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