簡単な操作で暗号メールの作成・解読ができるソフト。一般的な電子メールソフトと組み合わせて利用できる。「ちょっと暗号メール」は、簡単な操作で暗号メールの送受信を行えるソフト。電子証明書の発行などの手続きは不要。ソフトをインストールするだけで、メールの暗号化・復号化を行える。メール本文の暗号化のほかにも、画像を含めて暗号化したり、添付ファイルだけを暗号化したりといったことも可能だ。
暗号メールを作成・送信するには、「暗号メール・ライター」という編集ウィンドウを使う。暗号メール・ライターでは、メールの文面を入力できるほか、受信者の名前とメールアドレス、復号化用のパスワード、暗号化アルゴリズムを指定できる。
必要項目を指定して「暗号メール作成」ボタンをクリックすると、メールソフトの新規作成画面が開く。すでに暗号化テキストが挿入された状態で、そのまま通常のメールと同様に送信できる仕組み。ユーザが作成するメール文面には、暗号メールを復号化する方法やソフトの入手場所などの説明が自動的に挿入される。説明文もユーザが自由に編集できる。
また、暗号メールの作成と同時に、受信者名やメールアドレス、パスワードなどのセットが「名簿」ウィンドウに登録される。以後、同じ相手に送信する場合は、「名簿」リストで名前をダブルクリックするだけで、パスワードやメールアドレスがセットされる。
受信者側で受け取る暗号メールの本文には、暗号化されたコードが挿入されている。復号化するには、コード部分を選択し、「ちょっと暗号メール」のメイン画面(「復号パネル」という)にドラッグ&ドロップすればよい。「暗号メール・リーダー」が起動してテキストが復号化され、メール文面を読めるようになる。
復号化の際には、使用されている暗号化アルゴリズムとパスワードを指定しなければならない。そのため、送信者は前もってこの二つの情報を、受信者に伝えておく必要がある。復号化に成功した場合は、「復号キー名簿」に登録しておくことで、以後パスワード入力の手間が省ける。
暗号化メールには、JPEG/GIF/PNG形式の画像を添付することが可能。画像を含めて暗号化された状態で送信できる。画像添付の場合は、文面と画像がまとめられた暗号化テキストがクリップボードにコピーされて新規メール作成画面が開く。ユーザは、メール画面にペーストして送信すればよい。受信者側では、通常通りに復号化を行うと、テキストと画像がそれぞれ別のビューアで表示される。
画像以外のファイルを暗号化する場合は、「暗号メール・ライター」の画面で送信相手を指定し、「添付暗号ファイル作成」ボタンで暗号化を行って、作成された暗号化ファイル(テキスト形式)を通常のメールと同様に添付して送信すればよい。復号化する場合は、添付された暗号化ファイルを保存してから、「復号パネル」へドラッグ&ドロップする。
利用できる暗号化アリゴリズムは、「blowfish 128ビット」「cast 128ビット」「desx 192ビット」「rc5 128ビット」の4種類。暗号メール作成時のオプションとして、受信者から確認メールを送らない限り復号化できないようにする「受領書請求」機能や、暗号化パスワードを自動作成してくれる機能がある。「名簿」に登録した送信相手は文字列検索が可能なほか、暗号化されたテキストファイルとしてデータをバックアップすることも可能だ。