絵筆や絵具、用紙など、現実に存在する画材を模した描画機能を使って、手描き風の画像を作成できる高機能ペイントソフト。「Corel Painter Essentials 3」は、“定番”ペイントソフト「Painter」シリーズの入門版に位置づけられるソフト。「Corel Painter IX」をベースに開発された。新バージョン「3」では、写真を絵画に変換するのに便利な「フォトペイントパレット」などが追加され、完成度の高いデジタルアートをより簡単に楽しめるようになった。
新機能「フォトペイントパレット」では、(1)下塗りペインティング、(2)自動ペインティング、(3)復元の3ステップで写真画像を絵画タッチに変換する。「下塗りペインティング」は、読み込んだ写真画像のコントラストや色調を調整し、以降の加工を行いやすくするもの。写真の四隅にビネッティング(周辺減光効果)を加えることも可能。ビネットは長方形、楕円形のほか、ギザギザ形状などを選べる。オリジナル画像のクローニングをワンタッチで行い、加工を行いやすくするクイッククローン機能も用意されている。
「自動ペインティング」では、画像に対して自動的にペイントストロークを適用する。ペイントストロークは、直線/S字/C字といった手描き風の形状を選択できる。画像の上をなぞるようにランダムにストロークを適用することで、画像があたかも手描きであるかのように変化する。
「復元」は、これまでの作業で変更された部分のうち、「元に戻したい部分」を指定するステップ。自動ペインティングで塗りつぶされてしまった部分なども元に戻せる。
「Painter」シリーズでおなじみの豊富な画材は、「Corel Painter Essentials 3」でも健在。クレヨン、ペン、エアブラシといった一般的な画材のほか、厚塗りの油絵具を模した「アーティストオイル」や、水彩絵の具のような効果を出す「デジタル水彩」といった画材もある。さらに、任意の画材を指定して消去する消しゴムツール、ソースを指定して部分的なクローニングを行うスタンプツールなど、75種類以上の画材が用意されている。特定のパターンの画像を、ちょうどホースの先から撒き散らすように配置できる「イメージホース」機能も利用できる。
ファイル入出力機能では、(同じくCorel扱いとなった)ペイント/レタッチソフト「Paint Shop Pro」形式のファイルを直接読み込めるようになった。アルバムソフト「Corel Photo Album」に対して直接、画像を送信することも可能。“定番”フォトレタッチソフト「Adobe Photoshop」形式のファイルは、レイヤ状態を保持したまま、読み込み/保存ができる。
入力では、マウスやトラックパッドのほか、タブレットにも対応する。筆圧感知機能付きタブレットとの組み合わせで、筆圧に応じてペンの太さを変えたり、イメージホースの動作を変えたりといった指定も可能で、より表現力の高い画像を作成できる。