画像の比較機能を備えた高機能画像管理ソフト。同一(類似)とみなされたファイルに対して、あらかじめ設定した処理を自動的に行える。「ImaCom 5」は、強力な画像比較機能を中心に、数多くの機能を搭載する画像管理ソフト。メイン画面はメニューバー、ツールバーなどのほか、「ナビゲーションパネル」「プロパティパネル」「プレビューパネル」「サムネイルパネル」の各パネルペインで構成される。「ナビゲーションパネル」は、フォルダツリーのほか、ファイル検索や同一検索(画像比較)を利用できるパネル。「プロパティパネル」は、画像ファイルに関する詳細な情報を表示するもの。「プレビューパネル」は、画像をプレビューできるエリア。「サムネイルパネル」はその名の通り、画像のサムネイルを表示するエリアだ。パネルは、マウスのドラッグで配置を変更することが可能で、ユーザは好みの画面レイアウトにして利用できる。
ファイル操作面での大きな特徴が「タグ」方式を採用していること。「サムネイルパネル」で複数ファイルを選択(タグ)するのに、【Shift】または【Ctrl】の同時押下によるマウスクリックではなく、右クリックで選択、再度の右クリックで選択解除という方法が採られている。このため、うっかりした操作ミスで、選択したファイルが安易に解除されることはない。ツールバーのボタンなどから「選択状態の反転」や「選択したものだけをコピー」といった操作も簡単に行える。
「ナビゲーションパネル」では、「ツリー」「カテゴリ」「検索」「カレンダー」「同一検索」の5種類のモードをタブ切り替えで利用できる。「ツリー」は、Windowsでは一般的なツリービューで、フォルダを選択すると、フォルダ内の画像が「サムネイルパネル」に一覧表示される。
「カテゴリ」は、ユーザが任意に設定できるグループのこと。あらかじめ画像ファイルに対して、属する「カテゴリ」を設定しておくことで、カテゴリごとに画像ファイルが一覧表示される。実際にファイルの存在するフォルダがどこであっても、同一カテゴリとしてまとめられる。1ファイルに複数のカテゴリを設定することも可能だ。
「検索」は、ファイル名やファイルサイズ、更新日などからファイル検索を行える機能、「カレンダー」は、デジタルカメラのExif情報を使ってファイル検索を行うものだ。
「ImaCom 5」ならではのユニークな機能が「同一検索」。画像の内容をもとに「似ている画像」を検索できる。ファイルが完全に一致する場合はもちろん、画像形式が変更されていたり、JPEGの圧縮率が変更されていたりしても、元が同じ画像であれば、「同一」と判断する。「××%以上を類似とみなす」かの度合いをユーザが指定して検索できる。
画像比較機能だけを独立させた「Comper」と呼ばれるツールも付属する。指定フォルダ内の画像ファイルを比較(フォルダ比較)できるほか、指定した複数ファイルを比較(ファイル比較)することも可能。ウィンドウ左右の指定エリアにフォルダ/ファイルを追加して比較を行うのが基本的な使い方だが、左側エリアだけで比較を実行することもできる。同一の画像ファイルが検索された場合、それを通知したり、自動的に一方を削除したりできる。例えば「サイズが大きい方を残す」などの条件で自動処理することが可能だ。もちろん同一画像が見つかるたびに、ユーザが処理内容を選択することもできる。比較モードは3種類が用意されており、比較対象や用途によって選択できるようになっている。
そのほかにも、画像形式やサイズの変更機能、複数ファイルの自動補正や色調補正を行える簡易レタッチ機能などがある。