はじめにソフト名を聞いたとき「シワ取り注射メニューや目頭切開メニューがあって、アイコンはメスの形してるのかしらん」と、恐い考えに陥っていたが、使ってみると簡単に顔写真の加工ができる点に驚いた。はじめて写真館で証明書写真を頼んだとき、モデルはともかくとして、きれいにレタッチされているのにびっくりした覚えがある。また、デザイナーがレタッチソフトで人間の顔を修整する手際と技術に思わず見とれてしまったこともある。人間の顔というのは普段から見慣れているものだから、ちょっと素人がいじろうとしても妙に不自然に感じられてしまう。だから、とても自分にできるとは思えなかった。
ところが「デジカメぷち整形」の場合、ソフトの方が人間の顔を判断してくれるので、位置を「ここに変えたい」と指示するだけで、スムーズに加工してくれる。この「目線を確定すれば、人の顔の各パーツの位置をキチンと特定できる」という機能は、すごいことだと思う。普通のフォトレタッチソフトではユーザのスキルがあって、はじめて可能なのだから。
整形後のフレーム合成や背景合成がひとつの流れになっていて、整形を含めて「誰でも簡単に楽しい写真が作れる」というコンセプトが感じられた。そして実際に、「デジカメぷち整形」の整形はとてもラクチンなのだ。お手軽にデジカメで取った写真をそのままメールで送れる時代でもあるし、自分の写真をキレイに加工しておすまししみたり、ちょっとデフォルメしてウケを取ったり、楽しく遊べるコミュニケーションツールといえそうだ。
ちなみに一番楽しかったのは、宴会で撮った他人様の顔をいじっていたときである。あまりに楽しすぎて、当人に送るのは断念せざるを得なかったが。
(呉 真)