豊富なペンや図形描画機能に加え、フォトレタッチ機能も搭載した多機能ペイントソフト。「ArtistX」は、手描きのイラスト画像などを作成するための“ペイント系”画像編集ソフト。それぞれ10種類以上に及ぶペン種と描画図形パターンに加え、色の反転などの彩色効果、モザイクなどの特殊効果といったレタッチ機能も備え、描画からレタッチまで1本のソフトで行うことが可能だ。
用意されたペンは「鉛筆」「ボールペン」「マジック」といったものから、水彩ペンのような雰囲気を出せる「ウォーターカラー」、なぞった部分だけを明るめまたは暗めにする「光ペン」と「影ペン」、同じくなぞった部分だけをぼかす「ぼかしペン」など、計12種類(消しゴムを加えて13種類)。なかでもユニークなのは「きざみペン」と「筆」で、きざみペンは、マウスの左右移動でカリグラフ調の効果が得られるもの、また、筆は(やや先の荒れた)筆で描いたような効果が得られるもので、マウスを動かす速度によって線の太さ変化する。いずれのペンも太さを好みで設定できるほか、光ペン/影ペンとウォーターカラーでは強度または濃さを設定することができる。
直線や四角形などの描画できる図形パターンも豊富。例えば、四角形や丸では、枠線や塗りつぶしだけでなく、図形の中に縦線や横線、斜線も一度に描画できるメニューが用意されている。2色グラデーションによる塗りつぶしも可能だ。
文字描画関連機能としては、文字色のグラデーション化や影文字、縁取り文字が描ける「飾り文字機能」に加え、顔文字を挿入する機能もある。
レタッチ関連の機能では、モザイク、ぼかし、エンボスといった基本的なフィルタを備えるほか、用紙効果や、透明度・透過色を設定した上での画像の半透明合成といった効果を適用することができる。光ペン/影ペン、ぼかしペンなどをレタッチ用途に使うこともできる。
メイン画面は、上部にメニューバーとツールバー、左側によく使用する8色を設定できるカラーパレットが並び、一見、ごく一般的なMDI形式の編集画面にも見えるが、実際には同時に編集できる画像はひとつ。編集画像だけが単独の状態でウィンドウ内(大きな画像の場合はウィンドウ外に出る)に表示されるというユニークなユーザインタフェースが採用されている。この画像ウィンドウは「常に手前に表示」モードとなっており、編集中に他のウィンドウに覆い隠されることがない。
対応する画像形式はBMP/JPEG/PNG/MAGの4種類。さらに、ICOファイルを開いたり、クリップボードにコピーされている画像を開いたりすることも可能だ。