「天文シミュレーション:多体問題999」は、DOSで作成した重力干渉プログラムのWindows版です。等質量の天体が、時間とともに相互作用をしながら重力運動を展開するのを観察することができます。感想として、例えば重力の持つ逆二乗のような相互作用は、個々の現象ではどうしても局所的な現象として展開されやすく、現象そのものが階層的な全体構造をとることが多いようです。複雑系の力学とは、いわば芸術的・人文的な総合力(例えば場「将軍・司令官」という言葉は、俯瞰総合力が要求されるから「ゼネラル」と呼ばれるのだとか)が要求されるもののようです。このようなことは螺鈿細工の日本人にはどうも最も不得手な分野なんでしょう。グラフィックス偏重のGUI OSの文化には個人的には疑問を持っていたのですが、少なくとも今回の試みに対しては、階層性の俯瞰に対してWindowsのインタフェースを最大限利用させていただきました。なお、このプログラム自体はそれほど特殊な演算をしているものではありません。ソースプログラムを添付していますのでご参照ください。学術遊戯になどにお役立ていただければ幸いです。
(MIYAMA)