ビバップ号殺人事件 第2話

 一人目の被害者はフェイだった。
そのショックから、ビバップ号の住人はまだたち直るわけもなく、次の日の朝を迎えた。
そう、またもや忌まわしい悲鳴とともに・・・。

リビングで、悲鳴をあげたのはエドだった。
「アイーーーーン。」
エドが抱き上げた小さな、アインの身体を一本の矢が貫いていた。
 エドは血にまみれた手でアインを抱きしめ、泣きじゃくっていた。
ジェットは腕を組んで考え込んでいたが、物置から箱を一つ持って戻ってきた。
スパイクは相変わらず何を考えているのかわからない。ただいつものようにタバコをふかしている。
 エドはアインを箱に入れ、その箱を抱きかかえ甲板に出て行った。
空はどこまでも青く澄んでいた。エドは空を見上げ、何かを吹っ切るように拳で涙をぬぐった。
 心配して後をついてきたジェットは声をかけられないままリビングへ引き返していった。
リビングでは、相変わらずスパイクがぼうっとタバコをふかしていた。
ジェットは目の前にどかっと腰をおろしてスパイクを見据えた。
「問題は、問題は何故、アインが犠牲になったのかということだ。」
スパイクはジェットをじっと見た。お互い目が合うとそらそうともせず、しばらくにらみ合うような格好になった。
「エドはどうした。」
「甲板にいる。」
「一人にしたのか?」
「あぁ・・・。」
次の瞬間二人は先を争うように甲板に踊り出た。
ボッチャーーーン!
水音が響き、慌てて甲板に出た二人はほっと胸をなでおろした。
エドがどうしたのという顔で二人を迎えた。水音はエドがアインの入った箱を水に投げ込んだ音だった。
「いいのか?」
ジェットはやさしくエドに聞いた。
エドは
「いいんだよ。アインは帰ってくるから。」
そういって、寂しそうに笑った。

  つづく・・・。

作/猫宮

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