CALL MY NAME


注)SESSION#24でアップルデリーはエドのことをフランソワーズと呼んでいましたが、
自分の子供の性別もわすれているような人なので、この名前も怪しいので別の名前を本名にしました。
唐突に変な名前がでてくるのはアップルデリーの間違いなので会話の内容から話している人物を理解してください。



エドとアインはいま、海が見える丘の上にきている。
エドとアインがビバップ号をでてきてから、数日がたった。エドはここ数日間、隕石が落ちてきた場所を調べ、
やっと今日落ちてくる隕石が落ちてくる場所はこの丘ということがわかった。
エドとアインは、丘の上から釣りをして隕石が落ちてくるのを待っている。ちなみに、ここ数日間の食料はこの釣りで手に入れてきた。
そして、数十分たった頃。
「ヒュー」
と、上の方から何かが落ちてきた。エドとアインが上を見るより早くその何かは地面に落ちた。
「ドガーン!」
隕石である。その衝撃で釣り竿を落としてしまったが、そんなことは関係ない。
「ヤッター。アインいんせきが落ちてきたよ♪」
「ワン」
エドは喜んだ。自分の予測があっていたと言うこともあるが、それよりもエドはある人物に会えることを喜んでいる。
その人物は隕石が落ちてきたところには必ず現れる二人組の男である。
エドは隕石が落ちてできたクレーターの周りをぐるぐる歩きながら目的の人たちが乗っている車を待っていた。
エドがクレーターの周りを歩き始めてから数分後、目的の車が遠くの方から猛スピードで走ってくるのが見えた。
車はすごいほこりを立てながら、どんどんこちらに向かってくる。車はエドの目の前に止まり、中から二人の男がでてきた。
エドの父親アップルデリーと助手のマッケンタイアだ。
「チチィーーー!」
エドは大声でアップルデリーに声をかけた。アップルデリーはその声に気づき、
「エルセーヌ!」
と、声をかけながらエドの方に走ってきた。エドもアップルデリーに向かって走っていく。アインもエドの後をついていく。
エドは父に飛びつき、アップルデリーは飛びついてきた我が子をぐるぐるまわし始めた。
2,3回まわったところでアップルデリーの視界にアインが入ってきた。気になったアップルデリーはまわるのをやめ、
「この犬は。ジェニファーのか?」
「そーだよ。チチ。アインだよ。」
「そうか。」
「アップルデリーさん!」
今までの一連の会話を聞いていた助手のマッケンタイアが声をかけた。
「早くしないと次の隕石が落ちてきてしまいますよ。」
「そうか。」
アップルデリーはエドを地面におろし、その代わりにつるはしを持ってクレーターの方に向かって行った。
アップルデリーはそのつるはしを使い穴をあけ、マッケンタイアが機械を差し込む。
そしてアップルデリー達は地図を更新していく。ピース的な平和とノン混乱を取り戻すために。
更新が終わってからアップルデリーはエドとアインの方に向かってきた。
「おまえも一緒に来るか?」
「いっしょにいくいく〜」
「カイン。おまえも来るか?」
「ワン」
アインは名前を間違えられているのは、気にしないことにした。
今までの会話からこの人物は名前を覚えられない人物であるということをアインは理解している。
会話が終わり、車に乗り込もうとしたとき、東の方角に隕石が落ちていくのが見えた。
「よし行くぞ。マイケンマッド君、ステファニー、カイン!」
「マッケンタイアです。アップルデリーさん」
名前を間違えたことに言い返したのはマッケンタイアだけだった。
そうして3人と1匹は、車に乗り東に向かった。

その日の夜、エドとアインが眠ってから、マッケンタイアがアップルデリーに声をかけた。
「アップルデリーさん本当にこの子の父親なんですか?」
「当然だろ。マックスタリオン君。」
「マッケンタイアです。だったらアップルデリーさんの奥さんはどこにいるんです。」
「妻か?妻は今捕まっている。」

それから、マッケンタイアはアップルデリーの話を数時間かけて聞いた。
内容だけなら数十分の話なのだろうが、アップルデリーの話はすぐ横道にそれてしまう。
眠い思いをしながら聞いたアップルデリーのおおまかな話の内容はこうだった。

アップルデリーの奥さんは、身よりのないこども達を集めて、面倒を見ていたそうである。
だが、こども達はアップルデリーの奥さんに会う前には、盗みなどをして生活をしてきたので、
警官に見つかってしまったら捕まってしまうこども達ばかりである。だが、こども達は盗みをしなければ生活ができなかった。とはいっても、盗みは盗みで悪いことだ。だから、アップルデリーの奥さんは、集めたこども達にもう悪いことをしないという交換条件で、
ISSPのコンピュータをハッキングしてこども達の犯罪データをめちゃくちゃにしてしまった。
だから、こども達一人一人に自分の名前とは別の名前を教えて自分の足がつかないようにした。
「確かにハッキングも悪いことだが、私がいなくなったらまた盗みをしてしまう、だからせめてこども達がある程度大人になるまでは
警官に捕まってはいけない。こども達には明るい未来を見せてやらねば。」と言っていたそうである。
アップルデリーさんはこの話を聞くまで、彼女がハッキングをしていたのを知らなかったが、
この言葉に感銘を受けアップルデリーさんはプロポーズをしたのだという。
アップルデリーさんは彼女に自分もハッキングを手伝うといったら、彼女はそのことを捕まるのは一人でいいということで拒んだという。
彼が協力できたのは自分の妻を本名で呼ばないことだけであった。
それから数年後、やはり妻のハッキングがばれてしまいISSPに捕まってしまった。こども達は彼女が話した内容で特別、刑は免れた。
だが彼女の罪は重く13年の懲役であった。
こども達はその時は13〜15歳になっていたのでアップルデリーの奥さんにお礼の言葉を言いそれぞれ巣立っていったという。
エドが生まれてまもなくの話だった。

マッケンタイアはいつもあかるい性格のアップルデリーさんでもこんな意外な過去があるんだなと思った。
もっともこの話をしていたアップルデリーは、笑い話のようにして話していたが。
いろいろなことを考えながら、マッケンタイアは眠りについた。

次の日の早朝
アップルデリーとエドは朝日に向かって、まるで風呂上がりに牛乳を飲むような格好で、生卵を飲んでいた。
アインの皿にも生卵が入っていた。マッケンタイアは生卵を飲まず、たばこを吸っていた。
「プハー」
アップルデリーは生卵を飲み干し声を上げた。
そして何気なくエドに向かい、
「母親に会いたいか?」
「んにゃ?ハハオヤ?」
「そうだおまえのお母さんに会いたいか。」
「うん、エド、ハハにあいたい♪」
「じゃ、会いに行くか。」
この会話を聞きマッケンタイアは不思議に思いアップルデリーに、
「アップルデリーさん、今奥さんには会えないのでは?」
マッケンタイアは、エドが聞いていたということもあり、「捕まった」という単語は使わなかったが、
それでもエドにとっては少しきつい言葉だったと思うが・・・。
「今日思い出したんだが、先月で13年目だったから今頃はうちにいると思うんだ。」
相変わらずおおざっぱな性格だなとマッケンタイアは改めて確信した。
「と、言うわけで、Let’s go My home.」
「レッツ ゴー マイ ホーム♪」
マッケンタイアはアップルデリーの会話にあきれながら、車に乗り込んだ。

「おお!あれがマイホームだぞ!ソアラ。」
「エドのうちぃうっちうっちぃ〜♪」
車の窓からアップルデリーの家が見えた。そこは、海が近くにみえる場所だった。
家の横に車を止め3人と1匹は車から降りた。
アップルデリーは、大声で、
「おーい!今帰ったぞー。」
「かえったぞー。」
エドが続いて声を出す。その声の後に一人の女性が家の方からでてきた。おそらくアップルデリーの妻だろう。
アップルデリーは捕まっていたことに関しては、なにも言わず、
「おお!ただいま。」
「お帰りなさい。」
「たっだいまー」
アップルデリーの妻は誰かわからず、
「この子は?」
とアップルデリーに聞いた。
「私たちの子だよ。ジニー。」
アップルデリーの妻(ジニー?)は驚いた。それはそうだろう13年間も我が子を見ていなかったのだから。
エドの方はアップルデリーから言われていたのもあり、あってすぐに自分の母親どくどくの雰囲気を感じたから、
この女性は自分の母親であるということを確信した。
「私たちの子、まさかエレノア。」
「んにゃ?」
エドはまさか自分の母親も名前を間違う人なのではと思った。それは、外見からではとてもそうには見えないが・・・。
そんなことを思っているうちにジニー?が、
「あなたが生まれたとき、私たちがつけた名前よ。それはそうとあなたまだ、私の名前を本名で呼ばないようにしているの?
 私はもう捕まったし、罪も償ってきたからもう名前も呼んでもかまわないのよ!」
さすがのアップルデリーもこの歳になって、妻の名を呼ぶことに抵抗を感じた。
躊躇している間に、
「あなた人の名前を適当に呼んでいるのが癖になっているのなら、私が悪かったと思っているわ。
でもその癖は、早く直した方がいいわ。人の絆というものはまずは名前を覚えられるか覚えられないかで決まるのだから。」
「そ、そうかじゃ名前を呼ぶぞ、ポーラ。」
「それでよろしい。」
ポーラはにこっと笑った。
アップルデリーは、初めて自分の愛した人の名前を呼ぶことができた。
妻の本名は出会ったときに聞いただけで自分で口にしたことはなかった。初めて名前を呼んだため少々照れていたようだ。
「今日は家族が久しぶりにそろったことだし、今日俺は生まれ変わることにする。人の名前を呼ぶことにする。
だから今日会う人は新しい自分になってから初めて会う人だ、だからみんな俺に名前を教えてくれ。」
人の名前を呼ぶ。すごく当たり前のことだがアップルデリーにとって見れば13年ぶりのことなのである。
そのことを考えれば、生まれ変わるといっても少しも大げさではないだろう。
まず最初に助手のマッケンタイアがアップルデリーに名前を教えた。
「アップルデリ−さんこれからもよろしく、助手のマッケンタイアです。」
「マッケンタイア君ありがとう。今までこの仕事に関わってきてくれてありがとう。これからもよろしく。」
「いえこちらこそよろしく、アップルデリーさん。」
マッケンタイアはすごく嬉しかった。今まで自分の正確な名前を読んでもらえず半ばあきらめていたけれど、
だがしかし今日初めてアップルデリーさんが正確な名前を呼んでくれた。思わず目からあついものがこぼれ落ちそうになった。
次は、エドの番。
「チチとハハのこどものエドと、ともだちのアインだよ。」
エドはエレノアという親がつけた名前があるのにも関わらず迷わずエドという名前を選んだ。
この名前でエドはいろいろな人たちに会い、いろいろな冒険をし、いろいろな経験をしてきた。
だからこの名前は簡単には捨てられない。そのことに関して両親は何とも言わなかった。
「今まですまなかったなエド。」
「全然だいじょうぶだよ。エドはいっぱいいっぱい楽しいことをしたから。」
「そうか。」
その会話が終わったとたん海とは反対側に隕石が落ちていくのが見えた。
「よしいくぞマッケンタイア君。エドはポーラといっしょにごちそうでも作っていてくれ。」
「はい」
「はぁ〜い」
アップルデリーは車に乗り込もうと走り出したが、急に止まり、ポーラに、
「ところでうちの子は、息子、娘、どっちだっけ?」
ポーラは答えた、
「娘よ。」

その夜、その家からは笑い声が絶えることがなかった。

  I WISH YOU A LOT OF HAPPINESS.

作/水那

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