ビバップ・アンビリバボー・ショー その1

 事件は火星の輸送港から始まった。

 バナナの運搬中に、あるものが紛れ込んでいた。
 それは実物大、というより実物小の体長13センチの大人の象がバナナの房から紛れ込んでいた。
 それを見た作業員は、口から泡を噴き出しながら気絶した。

 次の目撃者は、あのおなじみのアントニオ、カルロス、ジョビンの3人の老人。いつものように思い出話をしながら、ビールを飲んでいるところへ象がカルロスの分をグイッと飲み干して、雄叫びを上げた。彼らは驚いてギックリ腰になり病院へ運ばれた。

 今度の目撃者はビシャスであった。日本刀を手に持ち、敵の懐へ飛びこもうとしたその時、象が間に入ってきた。
 2人は目が点になって、そのまま硬直した。

 と、こんな具合に、象を目撃した者はみな、パニックに陥った。ある者は精神科に通い、ある者は交通事故を起こし、ある者は眼科に通い、ある者は心臓が停止してそのまま死んでしまった。
 その騒ぎを収拾すべく、ISSPは象に3000万ウーロンの賞金首として発表した。

 その頃、ビバップ号というと…。
「ジェット」
 いつものようにスパイクは甲板で釣りをしている。
「何だね、スパイク?」
 ジェットもいつものように洗濯物を干している。
「象って、大きいものだと思うのか?」
「えっ?お前、まさか?」
「そのまさなんだよ」
 スパイクが釣り上げたのは、何と例の象だった。
「おい、スパイク。その象を警察に突き出せ。3000万の賞金が…」
「いやしかし、象の肉はどんな味だろうな…」
 スパイクが舌を出しながら象をにらみつけて近づける。
「おい、そいつを殺しちまったら賞金が…」
 追い詰められた象がとっさに雄叫びを上げた。すると驚いた2人は川へ転落した。

  To Be Continued


作/平安調美人

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