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ベクターソフトニュース - 1999.11.23
Digital Clay Digital Clay Ver.1.00
粘土細工のように直観的な編集が行える3Dモデリングソフト
Windows 98/95/NT サンプル
「Digital Clay」の動作画面
■メイン画面。粘土細工のような編集が実に楽しい

オブジェクトに対するマウスクリックなどで立体図形を作成・編集できる3Dモデリングソフト。「Digital Clay」(デジタル粘土)というソフト名の通り、まるで“粘土細工をしているように”直観的に3D図形を扱える。

「Digital Clay」の編集方法は、他の3Dモデリングソフトと比較するとちょっと変わっている。まず、球や立方体、円柱といった基本的なオブジェクトを選択し、そのオブジェクトに対して変形を加えていくという手順で編集を行うのだが、変形させるための操作がユニークなのだ。オブジェクト上にマウスポインタを置いてクリックすると、その部分がまるで指で押しているかのように変形する。図形の変形量は、マウスをクリックしている時間に応じて変化。1ヵ所で長時間マウスをクリックしたままにすると、その時間に応じてジワジワと変形が大きくなる。その深さや影響範囲などはコントロールパレットで自由に、かつ簡単に設定することができ、例えば変形量をマイナスにすると、クリックした部分がへこむのではなく、角を作るように飛び出す。

マウスによるマニュアルでの変形のほかに、あらかじめ設定されたルールでオブジェクトを自動的に変形してくれる自動変形フィルタが24種類用意されている。この機能では、ねじりや潰し、曲げといった、指で押すような変形だけでは行えないさまざまな変形を行うことができ、図形全体に対して大きな変更を加えることが可能だ。

図形表面の色は、オブジェクト全体の色を一度に塗り替える「塗りつぶし」のほか、指定した部分だけに好きな色をつけるペイント機能も使えるので、工夫によってさまざまな質感を持ったデータを作成できる。塗りつぶし時にはテクスチャを適用することも可能。そのほか表示モード(スムースシェーディング、ワイヤフレームなど)やビュー、光源位置の変更も簡単に行える。

作成した画像はBMPで保存できる。また、DXFやPOV-Ray、VRML 2.0のファイル形式でのデータエクスポート機能もある。

reviewer's EYE 2Dの画像を編集するペイントソフトでも、単に筆でペイントするばかりではなく、水彩画風の「にじみ」を作成したり、指でこすったりしたような効果を出せる機能がある。2Dよりも変形の自由度が高いはずの3D画像なら、もっとバリエーションに富んだ編集方法があってもよさそうなものだが、なかなかそうしたソフトは少ない。

このような中、アナログ的な変形手法を取り入れたこの「Digital Clay」のアプローチは、なかなかいおもしろいアイデアだ。粘土をこねるように「グニグニ」できる感覚はこれまでにない楽しさ。得られる結果のよし悪しは使う人の感性によるところが大きいのだろうが、もしかしたら、なにげなくグニグニしている間に、おもしろいアイデアも浮かぶかもしれない。
(天野 司)


スクリーンショット》 基本となる図形をもとに、これを変更する形で編集を進める
スクリーンショット》 ペイント機能により、オブジェクトに自由な色をつけることが可能
スクリーンショット》 表示モードの変更や回転軸のロックなどもクリックひとつで簡単に設定できる
スクリーンショット》 工夫次第でさまざまな質感を持った図形を作成できる。画像はBMPで保存可能


【作 者】 Studio PON さん
【作者のホームページ】 http://www.studio-pon.com/
【補 足】 製品版の価格はUS$88。作者のホームページ より購入できる。サンプル(試用)版はインストール後、初めて起動した日から15日間に限り使用できる。試用期間中の機能制限は特に設けられていない
ソフト作者からひとこと
■ソフトを開発しようと思った動機、背景

例えばペイントソフトには、プロのデザイナーが使うような高機能なフォトレタッチソフトも、子供でも楽しく使えるお絵描きソフトもたくさんあります。しかし、3D CG用だと高機能ですばらしいソフトはたくさんあっても、初心者の人が簡単に楽しく使えるような「お絵描き感覚」のソフトは少ないように感じていました。

最近は3D CGを楽しむ人が増えているみたいですが、興味があってもいまひとつ尻込みしてしまう人は、やはり「3D CGのソフトは難しそうだ」と感じるせいかもしれません。でも、ペイントソフトの「お絵描き感覚」を「粘土細工感覚」に置き換えたような、遊び感覚の3D CGソフトがあればおもしろそうです。そんな風に思って「Digital Clay」を開発することにしました。

■開発中に苦労した点

「粘土細工感覚」の操作性の実現に苦労しました。画面に表示される形を、いかに粘土っぽくいじれるようにするか、という点では、何度も試行錯誤を繰り返しました。プログラムを複雑にすると処理が遅くなり、粘土細工感覚が損なわれてしまうので、速度面では特に気を遣いました。

また、最初のバージョンに組み込む機能の選別にも、かなり苦労しました。アイデアの段階では、入れたい機能は大変たくさんあったのですが、機能を入れすぎると操作が難しくなりそうです。かといって、あまり機能が少なくても、モノ足りなさを感じさせるソフトになってしまいます。結局、最初のバージョンでは機能を少なめにして、今後のバージョンアップで徐々に機能追加することにしました。

■ユーザにお勧めする使い方

3D CG初心者の方には「あ、これっておもしろ〜い!」といった風に、遊びながら楽しく使ってもらえるとよいと思います。すでに3D CGをやっておられる方には、他のソフトと併用しながら「Digital Clayが得意とする柔軟なモデリング機能を役立ててください。

また、操作が簡単で遊び感覚のソフトですので、コンピュータやグラフィックスなどの教育用にも適しています。

■今後のバージョンアップ予定

さまざまなユニークな機能を追加していく予定です。
(Studio PON)
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上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

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