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ベクターソフトニュース - 1999.10.16
ThePIPS ThePIPS Rev.00H.01
フリーソフトとして生まれ変わった「伝説」のビジネスソフト
Windows 98/95/NT フリーソフト
「ThePIPS」の動作画面
■ルックス的にも、そして機能的にも表計算ソフト風だ

かつて「簡易言語」と呼ばれるビジネスソフトが一大ジャンルを築いていた時代があった。もう20年近くも昔の、まだ8ビットパソコンが主流だったころのことである。当時はビジネス用アプリケーションもまだ少なく、何を行うにもプログラミング言語を使ってソフトを作成するのが一般的という時代。そんななかで汎用プログラミング言語を使うよりはるかに簡単にビジネスアプリケーションを作成できるソフトとして脚光を浴びていたのが簡易言語だ。

「PIPS」はそのなかでも特に有名な製品で、開発元であるソードは自社オリジナルのパソコンと「PIPS」の組み合わせによって業績を伸ばし(「PIPS」は簡易言語として当時、No.1のシェアを誇っていた)、ベンチャービジネスの雄として称えられた。ソードはその後、東芝に吸収されたが、生き残った「PIPS」は長い月日を経て、ここにWindows用のフリーソフトとして新たなスタートを切ることになった。それが、この「ThePIPS」である。

機能面での特徴を挙げると、表形式によるデータ処理──つまり表計算ソフトの仲間ということになる。ただし、表の形(列数や1列あたりの桁数)を前もって指定する作業が必要だったり、複数の表について結合や照合を行えるといった点を考えると、表計算ソフトというより、むしろデータベースソフトに近いということもできる。また、ワープロモードへ切り替えれば、表と文章が混在した書類も作成できる。

ファイルは1画面を1ページとし、ページの大きさは自由に変更できる。さらに複数のページをバインダに、そして複数のバインダをキャビネットにとまとめる形で管理する。

そのほか、四則演算や関数による演算、クロス集計、データの並べ替えや更新機能、グラフ作成など、ほぼ表計算ソフトに相当する機能を持つ。

操作面での特徴としては、Windowsアプリケーションに標準的なメニューのほかにコマンド入力欄を持ち、すべての命令をキーボードコマンドから実行可能という点が挙げられる。いったんコマンドを実行するとそのモードに入り、以後は作業ステップごとにメッセージが表示されるという、一種の対話式となっている。

reviewer's EYE 筆者のパソコン歴も15年以上になるが、「PIPS」に触れるのは、実は今回が初めてである。そこで強く感じたのは、現在一般的なビジネスアプリケーションは基本的な機能についてはどれもある程度直観的に使えるのに比べ、「ThePIPS」を使うには初歩からのトレーニングが不可欠であるという点だ。

今回は残念なことに、別ファイルで配布されているマニュアル(PDFファイル)に一部レイアウトが崩れたようになって内容を判読できない部分があり、具体的に突っ込んで操作するまではできなかった(筆者の所有する2台のマシンのほか、編集部でも確認していただいたが、同様だったという)。

実績あるソフトがせっかくフリーソフトになったのだから、ぜひ幅広い人に試してもらいたいところである。PDF形式への出力時の問題なら比較的簡単に解決すると思われるので、早急に対応をお願いしたい。
(福住 護)

(編集部からの補足 : PDFファイルの件について編集部より東芝パソコンシステムへ連絡したところ、すぐにファイルを修正していただきました)



スクリーンショット》 作表するには、あらかじめ表の形を作っておく
スクリーンショット》 操作はほとんど対話式で行う。グラフ作成機能もある
スクリーンショット》 ワープロモードに切り替えてテキスト編集もできる


【作 者】 東芝パソコンシステム(株)
【作者のホームページ】 http://www.toshiba-tops.co.jp/
【補 足】 マニュアル(PDFファイル)は別アーカイブとして配布されている
ソフト作者からひとこと
「PIPS」が登場した1980年ごろは、コンピュータといえば大型機で、パソコンでいうところの誰にでも使える言語として中心的な存在だったのは、BASICでした。表計算ソフト「Lotus 1-2-3」が日本で発売されたのが1984年ですから、当時をご存じの方はその画期的な「簡易言語」の出現に絶賛されたそうです。

もうずいぶん前になりますが、テレビの料理番組を見ていると、ある女優さんが、万能ハサミを使って魚をさばいていました。魚は包丁でさばくという固定観念があった私は、カルチャーショックを受けました。

「PIPS」は出た当時、これさえあればデータをいろいろな形に調理できる、それこそ万能ハサミでした。19年という年月を経た現在も万能ハサミには変わりありません。ただ周りが変化してきて、いろいろな道具がそろってきたことだけです。

先の番組を見て以来、私は魚を万能ハサミでさばきます。でも、いくら万能でも刺身にはできません。刺身のときは刺身包丁が必要ですね。

私は、データを裁くときには「PIPS」を使います。刺身包丁の役が「Excel」です。何でも切れるからと万能ハサミだけで料理しようとすると無理があります。だけど、刺身包丁だけではもっと大変です。道具がそろったよさはそこにありました。Windows がまな板。同じまな板の上で調理ができるようになりました。

入力した表の中のデータは、常に加工が発生します! 「PIPS」万能ハサミはうまく調理できるように作られています。お試しください!
(東芝パソコンシステム(株))
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