ベクターソフトニュース - 1999.09.22 |
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Mailist Ver.1.5β5
ユニークかつ強力なメール管理機能を持つ電子メールソフト ■Windows 98/95/NT ■フリーソフト |
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「Mailist」のコンセプトが他のメーラと違っていることは、使いはじめてすぐに実感できる。通常のソフトであれば、インストール後、サーバを設定してメールの読み出し……となるところだが、「Mailist」では、まずメールのリスト受信(タイトル一覧だけの取得)を行うのが自然な使い方となっているようだ(ウィンドウ左のツリー表示最上部が、タイトル一覧を取得する「メールサーバ」となっていることからも、このような使い方を重視していることがわかる)。メール本文をダウンロードすることなくタイトルだけを一覧することで、無駄なデータ転送を極力省いているわけだ。もちろんこのあとは、読みたいメールの本文だけを選んでダウンロードする。こうした機能は他のメーラにもあるのだが、この手順がごく自然に行えるのが「Mailist」の特徴だろう。 最もユニークなのは、メールの振り分け機能。差出人等から判断してメールを各フォルダに自動振り分けする機能は、いまとなっては多くのメーラが装備する機能だが、「Mailist」の場合は、振り分け後でも元のフォルダ(通常は「新着受信」フォルダ)の中にそのメールへのショートカットを残すことができる。つまり、メールの本体は別のフォルダに保存するが、そのメールの存在は新着フォルダから消さないようにすることができるわけだ。メールを読み終わったら、そのショートカットだけを削除すれば、新着フォルダからは消えるがメール本体はしっかり保存されている──これは従来のメーラに見られない、なかなか便利で優れたアイデアだ。 メールアドレスがフォルダと関連付けされる機能もおもしろい。多数のメールをやりとりする人はアドレス帳も大きくなりがちだが、これをユーザが手動でグループ分けするのではなく、メールのフォルダによって自動的にグルーピングする機能がある。メールの分類と送信するメールアドレスとは相関が高いことが普通なだけに、これも有効なアイデアといえる。 検索機能も強力。通常の検索機能(一致検索)のほかに、指定したメールやキーワードに関連の深いメールを検索してくれる「関連検索」を搭載。検索エンジンには、シャープ製の情報検索・活用ソフト「Datahunter」の検索エンジンを使用している。 このほか、マルチユーザ、マルチアカウント等、メールソフトに必要とされる機能は過不足なく備えており、不満を感じさせない。非常に高機能なメールソフトといえるだろう。 ●
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「Mailist」の個々の機能は、説明文を読むだけでは何を言っているのかあまりよくわからないかもしれない。ただ、実際に使ってみればその機能の便利さはすぐに気づくだろう。とにかくこのソフトには、単に奇をてらったものではない、実用的かつユニークな機能が揃っているのだ。
やはり秀逸といえるのは、メールのショートカット機能だろう。自動振り分けの一番の欠点は、振り分けられた新着メールを確認するのに、いちいち多数のフォルダを巡回しなければいけない点だ。これがショートカットという形でひとつのフォルダに残ってくれれば、そのフォルダ内だけで新着メールのチェックが終了する。しかも単なるショートカットなので、読み終わったらそのまま削除してしまえばよいわけだ。ユーザによっては、この機能だけで「Mailist」を選ぶ価値があるといっても過言ではないだろう。月並みだが、「目のつけどころがシャープ」なソフトといえるだろう。 試用して気になった点をふたつ。メールフォルダが「Mailist」のインストールフォルダ等ではなく、「マイドキュメント」フォルダ内に固定で作成されてしまうが、ユーザによっては違和感を覚える人もいるだろう。また、マルチアカウント/ユーザは可能なのだが、環境設定ファイルを書き換え、別名で保存するという方法を取るため、ややわかりにくい。 (天野 司)
《スクリーンショット》 [Vector Mail Service:...]の実体は「vector」に振り分けられている 《スクリーンショット》 振り分け機能はかなり強力。「自動振り分け時に元のフォルダにリンクを残す」のチェックに注目 《スクリーンショット》 メール作成画面。ユニークなレイアウトだが、使い勝手は悪くない。外部エディタを呼び出せる点も便利 【作 者】 シャープ(株) 【作者のホームページ】 http://naragw.sharp.co.jp/softcenter/Mailist/ 【動作に必要なソフト】 Internet Explorer 4.0以降 |
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