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ベクターソフトニュース - 1999.07.28
Typography@LiveCraft Typography@LiveCraft Ver.1.0j
遺伝的ルールでデザイン文字を生み出す、ユニークなグラフィックソフト
Windows 98/95 シェアウェア(4,800円ほか)
「Typography@LiveCraft」の動作画面
■メイン画面。こうしたデザイン画を簡単に作成できる

文字にさまざまな装飾を施し、ロゴマークやバナーなどに使用できる高品質の画像を作成する機能を持つグラフィックソフト。

「Typography」(タイポグラフィ)は、「LiveCraft」と呼ばれる環境の上で動作する。「LiveCraft」の上では、「Typography」をはじめとする各種の“エージェント”を呼び出すことができ、これらを使いこなすことで、さまざまなデザインを作成できる。

「Typography@LiveCraft」の大きな特徴は、デザインを行う際、一般的なグラフィックソフトのように、ユーザがさまざまなパラメータを指定する必要がないこと。ただ単に「Typography」が“提案”する各種デザインの中から気に入ったものを選ぶ形式だ。そのため、難しい操作を覚える必要は一切ない。ユーザの選択はその後の新しいデザインに影響を与えるようになっており、使い込むうちに、そのユーザの好みに応じた方向づけがなされていく。

一覧の中から気に入ったものだけを選び出し、それらを“コレクション”として保存しておくこともできる。このコレクションもまた、エージェントの提案内容に影響するようになっている。

作成されるデザインはいずれも高品質・高画質なもの。BMPまたはJPEGでの保存が可能なので、Webページのデザインなど、さまざまな用途に応用できるだろう。

reviewer's EYE 「Typography@LiveCraft」のように、文字にさまざまなデザインを加えるソフトは、それほどめずらしい存在ではない。例えばメジャーなところでは「Microsoft Word」に付属する「ワードアート」あたりを挙げることができるだろう。

この種のソフトは、デザインのバリエーションの多彩さが命だ。バリエーションが少ないと、どうも「どこかで見たような」感じのするデザインしか生まれないもの。しかし、バリエーションを多彩にすると、目的とするものを選び出す作業が非常に難しくなってくるという欠点もある。色や文字の太さ、縁取りや影の付け方、といったパラメータを自分で設定する方式もあるが、こちらはセンスが要求されてしまう。

「Typography@LiveCraft」のアプローチはこうした問題をスマートに解決する。エージェントが“提案”するデザインは事実上無限のバリエーションがあるので、他人と同じデザインを選んでしまうことは少ないし、しかもそこからいくつか選び出すことで、自分の嗜好がどんどん濃縮されてくる。デザインを選ぶ際、「ハズレ」がどんどん少なくなってくるので、選択がスピーディに行えるわけだ。

使いはじめは不思議な印象を与えるユーザインタフェースではあるが、使いこなすほどに手になじんでくる──そんなユニークかつ実用的なデザインソフトといえる。

「Typography@LiveCraft」は「LiveCraft」シリーズの第一弾であり、今後もさまざまな“エージェント”がリリースされる予定とのこと。
(天野 司)


スクリーンショット》 エージェント画面。さまざまなデザインを“提案”してくれる
スクリーンショット》 数多くの一覧から自分なりの“コレクション”も作れる


【作 者】 梅村 高 さん
【作者のホームページ】 http://livecraft.com/
【補 足】 単体で使用できるスタンドアロン版と、「Photoshop」などのプラグインフィルタとして使用するプラグイン版がある。シェアウェア登録料は、個人使用の場合4,800円、ビジネス使用の場合14,800円
ソフト作者からひとこと
「LiveCraft」はいわゆる道具やテンプレ−トとしてではなく、主体的にデザインを提案する、いわばグラフィックエ−ジェントとして作られています。「Typography@LiveCraft」は、このシリ−ズの最初の作品です。これはタイポグラフィ(文字のデザイン)を目的としたもので、指定された言葉を使ってロゴ、バナー、エンブレムを無数に提案します。

「LiveCraft」の提案は遺伝的な仕組みで行われます。提案されたアイデアから好みのものを選択するとその遺伝子が次の提案へと継承されていきます。このため、提案は次第にあなたの希望に沿ったものへと進化します。また、提案のバリエーションは遺伝子の組み合わせの数に匹敵します。これは大きな数で、約10の68乗です。仮に1秒ごとに10通りを観察してもすべてを見るのに10の60乗年 を要する計算となります(ちなみに地球の年齢は10の9乗年程度)。こうした膨大な世界を遊ぶこともコンピュータと対話するひとつの楽しみといえるでしょう。

このソフトの原点には道具としての用法から、提案させる用法への転換というコンセプトがあります。SFの世界では主体性をもったコンピュータと人間との心の交流がよく描かれますが、そんな未来を夢みる人には特に試してもらいたい作品です。
(梅村 高)
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上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

製品(6,825円)
Bisca / LiveCraft LOGO 3.04 遺伝ナビゲーションであなただけのロゴデザインを収穫するアートゲーム (5,068K)


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