基本デザインを選んで、イラストや写真、文章を入れ替えるだけで、見栄えのするオリジナルのはがき・年賀状を作成できるソフト。操作を案内してくれる「ナビ」や「かんたんレイアウト」「かんたん写真はがき」などのサポート機能により、はじめて使う人でも迷わずに使える。「筆ぐるめ」は、年賀状、暑中・寒中見舞いをはじめ、慶弔のあいさつ、案内状などを簡単に作れるはがき作成・印刷ソフト。宛名や差出人データを使って封筒やタックシール、名刺などを作成・印刷することも可能。専用の印刷用紙を使って、持ち物に貼る名前シールを印刷したり、オリジナルのうちわを作成したりもできる。新バージョン「23」では、住所録をクラウド上へ保存できるようになったほか、1ライセンスで最大5台のパソコンにインストールできるようになった。さらに、ネットプリントサービスとの連携を強化し、年賀はがきの購入から投函まで、オンラインのみで行えるようになった(対応内容はサービスによって異なる)。
「筆ぐるめ」の大きな特徴のひとつが、ユーザの操作をサポートするナビ機能。起動時にはナビウィンドウが開き、「年賀状を作る→宛名」などの“やりたいこと”を選ぶと、画面左側に必要な操作のガイドが表示される。さらにマウスカーソルが自動的に移動し、“次にやる操作”のボタンへと導いてくれる。ナビのON/OFFは自由。迷ったときにいつでも呼び出すことができる。操作に慣れた人はOFFにして使えばよい。
もうひとつの大きな特徴が、初心者向けに、より少ないステップで年賀状を作成できる「かんたん筆ぐるめ」「かんたん写真はがき」といった「かんたんモード」を搭載していること。ウィザードに沿って作業を進めることにより、短時間ではがきを完成させることができる。必要であれば通常モードの「筆ぐるめ」を起動して、細かく設定し直すことも可能だ。
「かんたん筆ぐるめ」は、操作のステップが簡略化されたモード。入力項目は、はがきに記載する「宛名(住所/氏名)」「差出人(住所/氏名)」に絞り込まれている。「かんたん写真はがき」では、使いたい写真を選んでから、レイアウトを作成する。ウィザードで写真のフォルダを開き、最大3枚まで指定した上で、用意されたサンプルを(グループ→レイアウトの順で)選択すればレイアウトが完成する。
住所録の作成はカード型で、1件(1名)分のデータを続けて入力する。自宅・会社のデータを登録できる。登録できる項目は、氏名、郵便番号、住所、所属、役職、連絡先の電話、FAX、携帯電話、電子メールなど。はがき作成だけなら、「宛名専用」のタブ画面で、氏名、読み、敬称、電話番号、住所、連名といった宛名用のデータに絞って登録することも可能。さらに、一覧リストのスタイルでも表示・編集を行うことができる。「受け取った年賀状を見ながら住所変更をまとめて行う」ような場合に便利だ。
おもて(宛名)面のレイアウトは、ほぼ自動で行える。文字サイズは住所・氏名の文字数で設定され、バランスよく配置される。プレビューを見ながらフォント/サイズを指定したり、項目ごとの位置揃え調整を行ったりできる。
うら(レイアウト)面では、印刷するだけで使える完成版に近いものから、写真を追加して完成させるものまで、豊富なテンプレートが用意されている。「目上」「和風」「キュート」「シンプル」など、利用シーンに応じて分類されているだけでなく、キーワードで検索することも可能。膨大なテンプレートから目的のレイアウトを簡単に見つけ出せる。
写真・イラスト修正用の本格的なレタッチ機能も内蔵する。明るさやコントラスト、彩度、ホワイトバランスの調整(補正)のほか、拡大・縮小、回転・反転、トリミング、さらにはモザイク、エンボス、ポスタライズ、セピアといったエフェクトも適用できる。はがきや年賀状をより魅力的にデザインできるツールも備える。例えば「フォトコラージュ」では、複数の写真をタイル、モザイク、チェッカー、ランダムの形に組み合わせて1枚に仕上げることが可能。新バージョン「23」で追加された「お絵かきデコモード」では、ペン、スタンプ、デコレーションテープを使って、好きな位置に手書き風の装飾を追加できる。
そのほかにもデザインツールとして、
- フリーハンドではがきに絵や文字を描画できるペイントソフト「openCanvas for筆ぐるめ」
- 写真を水彩画や印象派など、さまざまな風合いの絵画調に変換できるレタッチソフト「Corel Paint it! Touch」
も同梱。よりレベルの高いデザインのはがきを作りたい人にお勧めだ。データ暗号化やバックアップなど、セキュリティを高める機能も揃う。住所録では、宛名の個人データが暗号化保存され、パスワード(16文字以内)を設定しておける。さらに「かんたんバックアップ」機能により、住所録(FGA形式)、レイアウト(FGL形式)、差出人情報(FGS形式)のファイルを、それぞれ指定したフォルダやUSBメモリなどにバックアップすることも可能。新バージョン「23」では、住所録をクラウド上へ保存して、データ共有できるようになった。
外部アプリケーションとの連携機能も充実している。例えば、
- 路線検索ソフト(乗換案内、駅すぱあとなど):最寄り駅から検索して、宛名/差出人住所を入力する
- 電話帳検索ソフト(写録宝夢巣):収録されている氏名や住所などを検索して、宛名や住所を入力する
- 地図ソフト(ProAtrasシリーズ、ゼンリン電子地図帳シリーズなど):住所録の登録データから地図検索して、住所の付近の地図を表示する
といったことができる。