「Super LoiLoScope」は、既存の動画・静止画・音楽（音声）などの素材データを組み合わせ、新たな動画を編集・作成するためのソフト。グラフィックチップが持つデータ処理機能（GPGPU）を利用し、HD解像度の動画でもストレスなく編集することが可能。インタフェースはシンプルかつユニーク。はじめてでも戸惑うことなく操作できる。

メイン画面は「デスクトップ」と呼ばれ、動画・音声・静止画などのファイル（アイコン）を配置できるようになっている。アイコンは、自由な位置に配置できるほか、「マグネット」と呼ばれるグループ化機能を使い、複数のアイコンをまとめて操作することも可能だ。

「デスクトップ」上には、素材アイコンのほか、動画編集画面（タイムライン）や動画・音声・静止画ファイルをブラウズするための「ファイルブラウザ」、不要なアイコンを削除するための「ごみ箱」なども用意されている。上部にはランチャ状のアイコンが並び、ちょうどWindowsのデスクトップと同様、動画編集に関するさまざまの機能を「デスクトップ」から呼び出せる。

「デスクトップ」上に配置された動画アイコンをマウスでポイントすると、自動的にプレビューウィンドウが開き、動画が再生される仕組み。「デスクトップ」上の任意位置のクリックで、選択したエリア周辺が拡大表示される。さらに、タイムラインウィンドウをクリックすると、ウィンドウが拡大表示されて動画編集を行えるようになり、「デスクトップ」上の素材アイコンをタイムラインにドラッグ＆ドロップすると、当該素材が直接、タイムラインに取り込まれて編集可能になるといった具合。操作は直感的に行うことができ、はじめてでもわかりやすい。

動画編集のスタイルは、タイムライン方式をベースにしたもの。ただし、一般的なタイムラインのように、動画トラックやエフェクトトラックといった「トラック」を意識させるものではない。まるで「ドローソフトで作画するかのように、素材を組み合わせて編集する」イメージで、操作性は斬新だ。

エフェクトにもユニークな機能が揃う。特に、画面上に手描きのイラストを動画として描画できる「でこペン」や、星型や花びらなどのイラストをマウスの動きに応じて自由に配置できるパーティクルエフェクト「でこスタ」などはユニーク。これらの機能を使えば、他の動画編集ソフトではあまり見られない、ファンシーなエフェクトを適用できる。

編集結果は、形式やサイズを指定して動画ファイルとして保存できるほか、再生デバイスを指定して、最適な形式で出力することも可能。YouTubeやニコニコ動画、Vimeoといった動画共有サイトへのアップロード機能や、DV/HDV/AVCHDカメラへの出力機能なども搭載する。

GPGPUによるハードウェア支援を利用できる環境では、プレビュー再生、選択エリアの拡大・縮小表示、さらにはエフェクトの適用なども、レンダリングなしでリアルタイムに再生することが可能。最終出力時の動画エンコードなどもハードウェア支援で高速かつスムーズに動作する（CPUや使用するGPGPUにもよるが、例えばH.264によるHD解像度の動画出力では、CPUだけで処理するのに比べ、最高で10倍以上の速度向上が得られるという）。

GPGPUによるデータ処理支援機能は、NVIDIA社製GPUであれば「CUDA」、AMD（ATI）社製GPUであれば「ATI Stream」と呼ばれているが、「Super LoiLoScope」の元になった「LoiLoScope」は、NVIDIA CUDAの性能を実証するサンプルアプリケーションとしても採用された。要するに「GPGPUによるハードウェア支援がどれほどの効果があるのか」「これまでのCPUのみの処理と比べてどんなことができるのか」を証明するアプリケーションとして選出されたわけだ。いうまでもなく、GPGPUの効果は絶大だ。

「LoiLoScope」に対して「Super LoiLoScope」では、HD編集への対応や「でこペン」「でこスタ」などをはじめとしたさまざまなエフェクト機能、デバイスに応じたエンコード機能など、一般ユーザ向けの機能を数多く搭載している。

とにかく、その操作性はユニークのひと言。ぜひとも体験してみてほしい。

そこで、ゲームのテクノロジを使って、本当にリアルタイムで動画を操作でき、思いをすぐに形にできるような、感覚を形にできる動画編集・合成ソフトを作ろうと思いました。弊社の代表取締役（杉山 浩二）と兄である弊社の取締役（杉山 竜太郎）が映像アートパフォーマンス、VJのために開発した「ecou回向」をベースに2006年、「一億総放送局化を実現するノンレンダリング映像ソフト開発」として経済産業省 情報処理推進機構（IPA）の未踏ソフトウェア創造事業に採択されたことをきっかけに、本格的に現在の「Super LoiLoScope」の開発に取り掛かり、株式会社LoiLoを設立しました。

開発中に苦労した点
開発中に最も苦労した点は「インタフェースをどこまで直観的にしたらいいか」「どこまで即存のものを維持するか」でした。例えば、どの動画編集ソフトにも必要なタイムライン。弊社でもいろいろとおもしろい、新しいタイムラインを表示するアイデアを考えました。でも、どれもユーザさまが戸惑うことを想定して、即存のタイムラインを使うことに決めました。

現在もこのような試行錯誤を重ね、「ユーザさまにとって何が一番便利なのか」「どうすればもっと使いやすくなるのか」を日々考えており、開発に取り組んでいます。「使う人が作るソフトウェア」を志に、作っては壊し、作っては壊して開発しています。お使いのみなさまの声が源です。ご意見をお待ちしています。

ユーザにお勧めする使い方
携帯電話やデジカメ・ビデオカメラで撮った動画や写真をためていませんか？　一番お勧めする使い方は、動画・写真の整理をして、大切な人へ届けることです。どこにも売っていない手作りのプレゼントで、心を豊かにすることができます。もちろん、AVCHDのいっぱい入ったSDカードだけでなく、DV/HDVテープをたくさん持っている方も多いかと思います。「Super LoiLoScope」を使って、その動画を一気に整理し、パソコンやWeb上、または外付けハードディスク等に保管することが簡単にできます。動画の不要な部分を選んで、動画同士をきれいにくっ付けたり、テキストやBGM、フォトムービーも！　手書きの文字やキラキラで思いのままにデコって完成、好きなファイル形式に変換したり、iPodや携帯電話等のさまざまな形式に出力したりすることができます。もちろん、保存した動画をDVDやBlu-rayに焼いたり、Webにアップロードしたりすることも可能です。

この際に、眠っているDV/HDVテープを整理し、大切な思い出をデータで保管して、大切なあの人へサプライズ動画を送ってみませんか？

今後のバージョンアップ予定
頻繁にバージョンアップをしております。カメラごとに動画や写真の形式が違うため、画像が乱れるなどの不具合がある場合は、詳細な情報を弊社サポートへご連絡ください。また、開発は続いているため、「こんな使い方をしているよ！」や要望など、あなたの声が必要です。ご意見をお待ちしています。