「ファイナルデータ 特別復元版」は、誤操作やトラブルで利用できなくなったファイルを高い確率で復旧できるデータ復元ソフト。ディスクのスキャン後に復元対象のファイルが一覧表示され、目的のものを選んで復元できる。新バージョン「9.0プラス」では、「8.0」で対応したCDブート（起動）に加え、新たにUSBブート作成機能を搭載。CD-ROMドライブのないパソコンでも、緊急時にUSBから起動して、復元作業を行えるようになった。

メイン（メニュー）画面に用意された項目は、

• ファイルの復元
• ドライブが正常に認識できない場合
• メールの復元
• 高度な復元

「メールの復元」では、削除してしまった電子メールのメッセージを復元できる。Outlook（97/98/2000/XP/2003/2007）/Outlook Express（5/6）、Mozilla Thunderbird、Netscape Mail、Eudora、Becky! Internet Mailに対応する。

「高度な復元」は、（ウィザード形式ではなく）エクスプローラ風の画面で復元操作を行えるもの。論理ドライブや物理ドライブのスキャンを任意に行うことができ、スキャン結果をファイル保存したり、再度読み込んで使用したりすることが可能。スキャン結果は、データの状態に応じて「削除ディレクトリ」「削除ファイル」「回収ディレクトリ」「回収ファイル」といったフォルダに分類され、目的のデータを復元できるほか、プレビューを行うこともできる。

ある意味でファイルの復元以上に厄介といえるメールメッセージの復元では、Outlook Express以外の代表的なメーラもカバーする。該当するメーラを使っている方にとっては、これも大きなアピールポイントといえる。

さらに注目されるのが、ブート用のCD-ROMあるいはUSBメモリからの起動による復元が可能だという点。これにより、仮にWindowsの起動ドライブがトラブルに遭った場合でも、手軽にデータの復元ができるのは実に心強い。ただし、ブートCDやUSBメモリから起動する場合には、シリアル番号を入力する必要がある。アプリケーションに登録したり、データファイルとして保存したりするだけでなく、いつでも参照できる形で保存しておくように心がけたい。

開発中に苦労した点
Windowsが起動しないという状況でもデータ復元ができるように、CDブートの機能を搭載しています。前バージョンでは起動用OSにLinuxを採用していましたが、新バージョンではWindows PEを採用し、Windows版の操作性をそのまま実現できました。さらにCD-ROMドライブのないNetbookでもUSBメモリからブートできるように、USBメモリ作成機能を搭載しました。また、ハードディスクの大容量化が進む一方で、データ復元に要するディスクのスキャン時間を短くすることが課題となっていましたが、新バージョンでは、さらにディスクスキャンスピードの高速化を実現しました。

ユーザにお勧めする使い方
万が一のデータ喪失に備え、あらかじめ本製品の起動用USBメモリ作成機能を利用し、Windowsが起動しない状態でもUSBメモリから起動し、復元できるように準備されることをお勧めいたします。起動用のUSBメモリを作成した際には念のため、USBメモリから「ファイナルデータ」が起動することを確認しておくと、いざというとき安心です。パソコンの調子が悪いときに、Windowsが復旧するのには時間がかかりますので、その間に必要なデータにいつでもUSBメモリにてアクセスできるようにしておく体制はとても大切です。